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2012-11-14 00:00
民主党内は、まるで“政権亡者”の悪あがき
杉浦 正章
政治評論家
解散反対の理由で、幹事長・輿石東が「幹事長室に陳情が来なくなる」と強調したのには驚いた。政権党の幹事長の職というのは、“おいしい”ポジションとは聞いていたが、そんなに離れがたい“特典”があるものであったのか。輿石の扇動で噴出した民主党内の解散反対論は、一言で言えば“政権亡者”の露呈だ。反対論は、ひたすら国家・国民より自分の身分が大切であり、3年あまりにわたる民主党政権の失政に次ぐ失政が解散論の根源にあることに気が付かない。一日でも長く「先生」と呼ばれたいのだ。一方で、民自公路線が赤字国債発行法案をめぐって復活した。野田は、消費増税法案の際と同様に、党内の反対を押し切り、同路線に乗って解散を断行する構図となってきた。テレビに出て「解散反対」を唱える連中も、まさに老いて醜い姿そのものだ。老醜右代表の渡部恒三が任期満了選挙を唱えれば、藤井裕久も任期満了のシュプレヒコールだ。両人とももう高齢で出馬しないのだから、あきらめが肝心であることに思いが到達しない。やはり任期満了論の菅直人の脳裏には、原発事故の急場での大失政への責任などはかけらも残っていない。
かねてから一癖あると見ていた中山義活に到っては、公然と「解散するなら代表の頭を代えるべき」と、野田降ろしを宣言した。「顔」を代えれば選挙が有利に働くという浅はかな考えに、国民がまたまた、だまされるとでも思っているとすれば、愚かとしか言いようがない。こうした動きを煽りにあおっているのが、隙あらば野田降ろしを狙う小沢一郎と連携している平成の妖怪・輿石だ。11月13日も参院役員会で口火を切って発言し「年内解散をすれば完全に政権を失う。官邸を引き上げて党に戻ることになる。そういう現実が本当に分かっているのか。幹事長室にも陳情が来なくなる」と強調した。輿石のこの発言も、全く事態を理解していない。世論調査でも明らかなように、「出ると負け」の民主党政権の失政に飽き飽きした国民は、一刻も早い「解散による政権交代」を望んでいるのであり、3年半も政権の座につけさせてもらえたことが“奇跡”であるのが分かっていない。いまさら政権にしがみついて何が出来るというのだろうか。確実にこのまま支持率は急落を続け、選挙情勢は悪化するばかりだ。ダブル選挙なら民主党は参院での多数も失う。
進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないのだ。輿石以下民主党幹部は、地獄の血の池に落ちてもまだ命乞いをする“政権亡者”そのものの姿となりきっているのだ。永田町では、輿石が辞任しなければ、野田は「輿石切り」に出たうえで、解散を断行する可能性がささやかれている。野田は、消費税でもそうだったが、いったん腹を固めると、てこでも動かなくなるところがある。消費税不成立の場合は、議員辞職も考えていたことを自ら明らかにしたが、いったん決意したら貫徹するタイプだ。その消費税で実現した民自公協力が解散に向けて再び復活した。民自公3党が13日、赤字国債発行法案の15日衆院通過と、本予算の成立との連動処理で一致したのだ。今後のねじれ国会の“休戦協定”を意味しており、賢明なる合意だ。野田は、衆院予算委で、「日本の政治にとって大きな前進だ。自公両党の尽力に心から感謝する。解散の環境整備ができるようお互いに努力したい」と言明している。この画期的とも言える民自公路線の復活は、選挙後の自公と民主党“野田支持勢力”との大連立も視野に入れることが可能となるかもしれない。野田は、輿石が「解散反対を党の総意である」と伝達した会談も、たったの17分で切り上げている。会談後、輿石が小鬼のような顔つきで出てきたのを見れば、内容は明白である。野田は輿石の反対論を一蹴したのだ。
もう輿石は、年内解散を決めた野田に反旗を翻し続けるなら、幹事長を辞任すべきであろう。こうした政局の動きは、解散を遅らせるどころか、加速させる傾向を見せている。野田にしてみれば、解散を遅らせるほど、解散反対の包囲網は強まるからだ。やはり老醜の石原慎太郎が、慌ててくだらない極右国粋主義新党を旗揚げしたのも、出遅れを懸念してのことだ。石原は旗揚げが新聞のトップで掲載されると予想していたようだが、新聞の扱いの小ささにがっかりしていることだろう。やはり石原主導の「野合新党」ではブームなどは起きない。永田町では「16日解散・12月9日選挙」までささやかれ始めたが、これはいかにも性急だ。少なくとも「0増5減」は、衆院を通過させておかなければなるまい。したがって、解散は22日説、またはそれ以降説が有力だが、民主党内の動きによっては一挙に解散となる可能性も否定出来ない。輿石以下の政権亡者の計算違いは、反対を唱えれば先延ばしできるという甘い考えがあることだ。解散権は首相にある。不信任決議よりも優先されるのだ。民放テレビ報道では、ピントが狂って吠えまくるみのもんたの「朝ズバ」の解散見通しの迷走が一番目立ったが、その張本人の1人が元総務相・片山善博。「同日選挙」と断定を続けて、茶の間レベルの見通しを誤らせた。14日も「会社がつぶれるようなことを平気でやる」と野田に毒づいていたが、自らの判断力の悪さを棚上げにして首相に毒づいてはいけない。
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