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2012-09-02 00:00
主張しない日本外交は、これでよいのか
石崎 俊雄
龍谷大学教授
最近、日本の外交は首を傾げたくなるような失政が続いている。それを象徴的に表しているのが、周辺国との領土問題である。ロシアとの北方領土問題ではメドベージェフ首相に上陸され、韓国との竹島問題では李大統領の上陸を許し、中国との尖閣諸島問題では漁船に体当たりされたかと思うと今度は上陸まで許してしまった。こう立て続けに問題が起きるのは、日本自身の外交政策に問題があるからに他ならない。
海外旅行に行く日本人の多くがホテルのフロントや空港などで置き引きの被害を受けている。その原因は、日本国内の習慣になれ親しいんだ日本人が、持ち物を不用心に置いたまま管理をしていないことに由来する。海外では、自分で注意し管理していない物を持っていかれることは普通のことであり、被害者にはお気の毒であるが、管理していない被害者の側が悪いだけでなく、犯罪者を作り出し世の中に不正を蔓延らせる手助けをしているというように見られているのである。
外交も同じことで、世界と付き合うには世界のルールに従う必要がある。前述の3件の中でも、尖閣問題に対する政府の対応は全く理解できない。メドベージェフ首相や李大統領を逮捕することは不可能であるが、漁船でぶつかってきた中国人は起訴までしながら処分保留のまま帰国させるし、今回の不法入国者に対しても身柄を拘束しながらお咎め無しで帰国させている。この対応では、さらなる上陸をして欲しいというメッセージという以外にどのような解釈があるのであろうか。このままでは行動がもっとエスカレートし、極東地域の不安定化をもたらし、戦争の危険性をも招くものである。日本は戦争を放棄しているから戦争には絶対になり得ないという考えであれば、日本は徹底的に譲歩を迫られ続け、いじめで自殺した学生と同じように最後は自分の生命線をも失うという覚悟が必要である。
平和は不断の努力により維持していかなければならない。相手に譲ることが平和への道では無く、逆に不安定要因を助長していることになっている。問題が複雑になる前に主張すべきは主張してきちんとした対応を取っていくことが平和への道である。今回の日本政府の対応は将来における紛争の種を作ったことになり、非常に罪深いものである。この代償は将来の世代が払うことになるであろう。
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