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2012-08-20 00:00
反プーチン・ライブを敢行した女性3人に禁錮2年の厳しい判決!
飯島 一孝
ジャーナリスト
モスクワ市地区裁判所は17日、ロシアのシンボル的教会で反プーチンのライブを行なったとして逮捕・起訴されていた女性ロックバンド3人に禁錮2年(求刑・同3年)の判決を言い渡した。プーチン支持派と反プーチン派が対立した3月の大統領選直前に起きた事件で、早期釈放か、厳罰かを巡って国論が二分されていた。ロシア社会が大きな曲がり角に来ていることを象徴する出来事といえよう。
禁錮2年の判決を言い渡されたのは、女性パンク・ロックバンド「プッシー・ライオット」(子猫の騒動の意)のメンバーで、ナジェージダ、マリア、エカテリーナの3人。2月21日、モスクワ市内の救世主キリスト大寺院でライブを行い、覆面をかぶって踊りながら「マリア様、プーチンを追放して!」と歌い、刑法213条(乱暴狼藉)違反容疑で逮捕された。3人はそのまま長期間拘留され、7月に予審が行われ、今月に入って裁判が続けられていた。
この日、裁判所周辺には女性ロックバンドの無罪を支持する市民ら数千人が集まり、警備の警官隊と対峙した。午後2時から公判が始まり、裁判官が判決を朗読。午後6時頃、禁錮2年の判決が言い渡されると廷内から「恥を知れ!」の声が飛んだ。それに呼応して廷外でも支持者が厳罰判決を非難し、警官隊の包囲網を破ろうとして小競り合いになり、約50人が拘束された。同日夕、ロシア正教会が事件後、初めて公式声明を発表。国家に対し、冒とく的行為を繰り返さないよう、ロックバンドに法律の範囲内で寛大な措置をとるよう呼びかけた。教会側はこれまで捜査や裁判に悪影響を与えないよう、慎重に対応していたとされるが、首都の有名寺院で起きた事件だけに教会に災難が及ぶのを懸念していたようだ。
判決公判を傍聴した反プーチン運動の指導者、ナバリヌイ弁護士は「3人の被告に対する制裁であり、これみよがしに裁判制度を破壊する判決だ」と厳しく批判した。また、作家のリモノフ氏は「ロシア社会を二つに分裂させる、愚かでいい加減な判決だ」と酷評した。一方、与党「統一ロシア」のチェスナコフ幹部会副書記は「判決は社会的意識と現代的なモラルに合致する妥当なもの」と評価した。判決の評価は反プーチン派とプーチン派で完全に二分された形だ。プーチン大統領は判決前、インタビューに答え「法律に則って厳正な判断を」と述べていたが、その結果が今回の判決なのだろう。だが、西側の見方は「表現の自由の範囲内で、これほどの厳罰に当たる行為とは言えない」で一致している。この事件でまたプーチン政権は、ロシアの異質性を世界にさらしてしまった。この判決が再び、ロシアの中流階層を刺激しないでは置かないだろう。
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