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2012-07-10 00:00
見落としてはならない尖閣諸島購入問題の核心
湯下 博之
元駐フィリピン大使
石原東京都知事が、4月に尖閣諸島を東京都が購入する計画を発表し、これを追いかけて、政府が同諸島を購入する方針を打ち出した。東京都には購入のために既に13億円を超える寄付金が全国から寄せられたとか、地権者は国への売却に消極的であるとか、ということも報ぜられ、まず都が買い取った上で国に売り渡すといった構想も報じられている。また、中国や台湾の当局が、日本政府による尖閣諸島国有化の方針に反発しているとも報じられている。
この一連の騒ぎを見ていると、問題の核心が見落されていることが懸念される。石原都知事が尖閣諸島購入を計画した理由は、尖閣諸島を所有したいからではなく、尖閣諸島の日本人による実効支配を確かなものにするためであると思う。即ち、尖閣諸島が日本の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであるが、そうは言っても、無人島の状態で外国人の無断接近が防ぎ切れない現状を放置することは適当でなく、今後に禍根を残すことにもなりかねないので、何らかの形での人の常駐等、目に見える形で実効支配の実態を示すことが大切である、との考えによるものと思われる。
即ち、単なる所有権の移転では、問題の解決にはならない。所有権を取得した後に、国や東京都が実効支配の明確化のためにどのようなことをしようとしているのか、それこそが問題の筈である。もし、国は所有しても具体的な措置をとらないというのであれば、東京都に期待せざるを得ない。
なお、中国や台湾が反発するのは立場上当然であるが、尖閣諸島の日本国内法上の所有権の移転の問題は、中国人の漁船長の逮捕の場合とは全く異質の問題であり、粛々と措置を進めることが当然で、立ち止まったら、かえっておかしい問題である。
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