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2012-07-02 00:00
(連載)米政府にモノが言えない政権の実体(1)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
森本防衛相の沖縄、山口両県に対する「オスプレイ要請行脚」は、けんもほろろに断られ、なす術もなく帰京した。沖縄県の仲井真知事から「断然、拒否する」と突っぱねられ、この後訪問した普天間飛行場がある宜野湾市の佐喜真市長には「市民の生命、財産を預かる市長として反対だ」とにべもなく断られ、沖縄を後にした。 沖縄を発って向かった山口県では、米海兵隊基地のある岩国市の福田市長が「(一時的とはいえ、オスプレイの岩国基地への)陸揚げ自体を行うべきではない」、二井知事も「姑息な考え方」などと森本氏に不信感をぶっつけた。
元々、防衛相は、「オスプレイ行脚」に自信はなかった。訪問前に説得することができると思うかとと問われた防衛相は「ノーコンフィデント」と答えている。初めから弱気だったのである。オスプレイ、正確には普天間飛行場にある現有の輸送ヘリCH46が老朽化し、その置き換えに同飛行場に配備が決まった新型の垂直離着陸機MV22オスプレイがそれだ。オスプレイとは猛禽類のタカの一種ミサゴのことで、ヘリコプターのように垂直に離着陸、ホバリング(空中停止)が可能で、かつ通常の固定翼機のような高速移動もできる、これまでのヘリとはけた違いの機能を持つ。
ところが、このオスプレイは開発段階から事故が多発、実戦配備されてからも事故が連続し、今年も4月のモロッコに続いて、6月には米フロリダ州で墜落事故を起こしている。そんな危険なモノを配備されてはたまらない、というのが沖縄県であり、山口県である。配備計画が日米両政府間で具体的に動き出した時から沖縄は県を挙げて反対だった。沖縄のあまりの反発の強さに驚いた野田政権が、普天間配備にワンクッションを置こうとしてひねり出した米軍岩国基地への一時配置も、地元の山口県と岩国市の反対で再考を余儀なくされ、防衛相が直々に出向き、協力を求めたのである。
防衛相の説得不調は、計らずも日米同盟の実体をさらけ出す結果に終わってしまった。森本氏は、沖縄で米政府から届いたオスプレイ事故の調査報告を説明する一方、その有用性を語った。だが、米軍基地絡みの事故が日常的な沖縄県は、米側の配備計画、事故調査報告をおうむ返し聞かされたところで、「はいそうですかとは言えない」(知事)のは当たり前だ。知事はこう言っている。「性能に問題があるのに、米軍が何でも持ち込めるというのは、信じられない話。断然拒否するしかない」と。そして配備に強く反対し、「配備中止を含めて対応してほしい」と逆に国に強く求めた。知事は会談後、記者団に、「日米地位協定を理由に(米軍が沖縄基地に)何でも配備しようとなったら、(県内の)全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得ない」と、一段と強硬な姿勢を明らかにした。(つづく)
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