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2012-07-02 00:00
まだ辞めないのか、丹羽宇一郎よ、恥を知れ
岡田 章一
元会社役員
私は、一昨2010年9月26日の本欄「議論百出」に「民主党に政権担当能力はあるか」と題して、「(尖閣諸島沖で)領海侵犯、公務執行妨害を犯した中国人船長を、日本政府は9月24日未明、奇怪な理屈とタイミングで釈放した。『地検が決定した』と言い逃れているが、官邸が関与したことは明白である。本件を見て痛感するのは、民主党には政権を担当する能力がないのではないか、ということである。国家、主権、領土といった国政の最重大事に関して、政府首脳が右往左往し、確たる信念も戦略もなく、危機と直面することから逃げている、のは明白である」と述べた。
あれから間もなく2年になろうとしているが、事態はなんら改善していない。むしろ悪化していると言ってよい。さる5月4日には、訪中した横路孝弘衆院議長と習近平国家副主席との会談に同席した(民主党特命の)中国大使丹羽宇一郎が、石原慎太郎東京都知事の尖閣諸島購入計画について、「日本の国民感情はおかしい」「日本は変わった国なんですよ」と発言したという。直後に日本国民から全面的な批判を受けて、あわてて「今後二度と同じ発言はしない」との詫び状を玄葉光一郎外務大臣に提出したというが、子供ではあるまいし、「詫び状を出せばそれで済む」という問題ではない。
丹羽氏については、何年か前の雑誌上の対談で「将来は大中華圏の時代が到来します」「日本は中国の属国として生きていけばいいのです」との発言が報じられており、もともと日本国の国益を代表する大使として不適格な人物であることはわかっていたはずの人物である。丹羽氏が社長として君臨した伊藤忠商事という会社がある。対中取引で傑出した成果(ということは、金もうけ)をしている会社と聞くが、丹羽氏の精神構造は、伊藤忠在籍時代のそれと何も変わっていないのではないか。むしろ、伊藤忠での「成果」があったからこそ、駐中国大使に選抜されたくらいに思っているのではないのか。いまでも、伊藤忠の便宜を図るような精神構造はないのか、そのために中国大使の特権を悪用していることはないのか、危惧されるところだ。
5月4日からもうすぐ2か月になろうとしているのに、この人物はまだ辞表を提出せず、中国大使の栄誉と特権にしがみついている。そして、民主党政権はそれを黙認している。桜井よしこ氏は、このような丹羽氏について「これまでどういう生き方をしてきた人なのでしょう」「本当は使いたくない言葉だが、こういう人を『国を売る輩』というのです」「(中国からは)『うい奴』『使い勝手のよい奴』と思われているのでしょう」と述べている。私は、中国は内心で、このような言動を繰り返す丹羽氏を人間として軽蔑しているだろうと思います。どこの国であれ、自国の国益を売って媚びてくる他国の外交官や軍人を尊敬する国は、地球上どこにもないはずだからです。最後に「まだ辞めないのか、丹羽宇一郎よ、恥を知れ」と、申し上げたい。
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