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2006-08-23 00:00
靖國神社を政治目標達成のために利用する小泉首相
金城洋太郎
教員
8月15日に、小泉純一郎首相は靖國神社を参拝しました。靖國神社参拝によって中国、韓国などから非難を受け、対中、対韓関係が悪化することは訪問前から明らかでした。それでも首相は参拝を決行しました。それはなぜでしょうか。以下に述べる私見は、靖國神社参拝後に対中関係、対韓関係が悪化することを小泉首相が予想していたという前提に基づいています。もし予想していなかったとしたら、小泉首相はただの無能な政治家です。結論から申し上げると、小泉首相の靖國神社参拝は、それ自体目的ではなく、みずからの長期目標を実現するための手段だったというのが私の考えです。つまり、小泉首相は憲法改正を実現するために、(1)国民統合の強化、(2)正式な軍隊の保有、(3)日本における米国のイメージアップを図る必要があり、そのために靖國神社を利用したのだと私は考えています。
(1)国民統合の強化
小泉首相の靖国神社参拝は、遺族や戦争体験世代の人々を国家に結びつける役割を果たしました。さらに、日韓朝の反対を押し切って参拝した首相の態度は、「他国に負けない強い首相」あるいは「強い日本」というイメージを国民に植え付け、国民統合を強化する効果もありました。
(2)正式な軍隊の保有
また、靖国神社参拝は、「反日で一致する隣国VS孤立した日本」というイメージを、日本国民に植え付け、国民に国家防衛をより強く意識させるようになり、日本もまた正式の軍隊を保有する必要があるとの機運を国民の間に広めました。これは小泉首相の靖國神社訪問の成功を意味します。
(3)日本における米国のイメージアップ
去年の11月17日に小泉首相が靖国神社を参拝した直後、米国は日中韓に関係修復を呼びかけました。私は、そのタイミングの良さを見て、靖国神社参拝は実は日米両政府の計画なのでは・・・という疑問を抱きました。なぜなら、これによって、日本人は「頼り甲斐のある米国」というプラスイメージを抱くようになったからです。また、今年8月15日の小泉首相の靖國神社訪問に際しては、米国は沈黙を守っていましたが、このような米国の態度が日本人の米国に対する好感や信頼感を高めるのに役立つ、と小泉首相は承知していたのでしょう。
以上、(1)(2)(3)の観察を踏まえて、私は、小泉首相の靖國神社参拝は、小泉首相個人と自民党の一部に利益をもたらしても、日本全体に利益をもたらすものではないことを結論したいと思います。なぜなら、小泉首相は、日本国内の問題を意図的に外交問題化しているからです。これは、明らかに東アジアの秩序形成を妨げています。また、靖國神社は、まさに、日本人一人一人の「心の問題」であるにもかかわらず、これを政治利用し、政教分離の原則に違反し、日本国内における歴史の総括を妨げているからです。
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