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2012-05-18 00:00
米歴史上初めて出生率で少数派と多数派が逆転
島 M. ゆうこ
エッセイスト
本日(5月17日当地時間)発表された2011年7月の国勢調査局(U.S. Census Bureau )の数字によると、ヒスパニック系及びアジア系の出生率が白人の出生率を上回り、歴史上初めて、マイノリティ(少数派)とマジョリティ(多数派)の出生率が逆転したことを、米国のメディアは伝えた。この統計によると、白人の出生率は49.6%で、ヒスパニック、黒人、アジア系の出生率は50.4%に達し、わずかながら少数派が多数派を超過した。マイノリティの出生率が白人の出生率より高い傾向は2000年から進んでおり、今後米国の人口動態の変化が加速されることが予想されている。米国人口の全体の比率は、現在白人が約63%、ヒスパニック、黒人、アジア系の合計が約37%で、白人の人口は圧倒的に多いが、17日付けの『ワシントン・ポスト』紙によると、2045年には、白人の人口は、全米の48.5%まで減少することが予想されていて、約30年後の米国の白人は、多数派ではなくなる。これはかなり、米国のランドスケープが変わることを意味する。
過去30年間で、総体的にヒスパニック系の移民が増え、世帯当たりの出生率も伸びたことが主な要因である。また、一部の要因として、テキサス州では、2010年から2011年にかけて、ヒスパニック系の出生率の上昇を奨励している。ジョージア州では、同期間にヒスパニック系の出生率が約21%も増えている。このような一部の州での出生の奨励は、将来生産人口を増やすることで、年金などの社会保障受給者の人口層拡大に対処したものであるようだ。同日付けの『USA Today』によると、総体的には、18歳以下の子供の数が昨年だけでも25万人減少する一方で、85歳以上の人口層は同じ率で増えている。このような状況で、少数派の中では最も人口が多いヒスパニック系の若年層が、将来経済的に果たす役割は大きいと言われる。また、平均年齢も、ヒスパニック系が約28歳、白人が42歳、黒人が31歳、アジア系が33歳で、白人は老齢化をたどる傾向になる。
現在、ハワイ、カリフォルニア、ニューメキシコ、テキサス、ニューヨーク、ワシントンDCでは、白人層が50%を切っている。つまり50%以上は、白人以外の他の人種で占められている。今後、このような州が増えることは必然であり、他民族文化が進む一方、バーモント、バージニア、ニューハンプシャーなどの州のように白人層の多い州とカリフォルニア州のようにヒスパニック系の多い州の差が益々顕著になる可能性もある。マイノリティを嫌う白人は、自分達がマイノリティになることを恐れて、最も白人の多い州に移転するからである。時代に逆行した白人至上主義者も、わずかながら今だに存在する。今後20年、30年後のアメリカは、以上のような人口動態の変化に伴い、政治、経済、社会的状況も変わってくることが予想される。
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