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2012-04-19 00:00
(連載)中国ではロケット残骸物の落下は日常的な出来事(1)
酒井 信彦
日本ナショナリズム研究所長・元東京大学教授
このところ、北朝鮮が長距離ロケットの打ち上げを予告したために、日本中が大騒ぎ状態になっていた。結局4月13日に行われたロケットの打ち上げは、完全な失敗に終わって事なきを得たものの、日本の発表が大幅に遅れて、かえって日本の監視体制の欠陥が、明らかにされる結果となった。日本で大騒ぎしたのは、ロケットの破片などが落下し、被害が出ることを心配したためであったが、世界第二の経済大国である中華人民共和国では、ロケット打ち上げの落下物による被害など、幾らでも起っていることなのである。しかしこの重大な事実は、日本では一般に殆ど知られていない。
つい最近の3月31日に、貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州鎮遠県の尚寨トゥー族郷という所に、通信衛星「亜太7号」を打ち上げた長征3号B型ロケットの残骸が落下したことが、「ロケットの残骸落下・住民パニック・毒ガスの黄色い霧」というタイトルで、インターネット・サイト「サーチナ」に出ている。それによると、四川省の西昌衛星発射センターで、午後6時27分に打ち上げられたロケットは、7分後には尚寨郷の付近に達して爆音が轟いたが、ついで白い物体が見えて、どんどん人間のいるほうに落下してきた。
「物体は轟音(ごうおん)をたてて小川の近くに落ちて、4つの部分に分裂した。2つは山の斜面に突き刺さった。残りの二つは水田に落ち、黄色い煙を噴出しつづけた。住民は遠くから、物体と物体の周囲で次第に濃くなる『黄色い霧』を眺めているしかなかった」という。「周囲の地面より低くなっている小川の上をつたうようにして、『黄色い霧』は広がった。『黄色い霧』は、長征ロケットの推進剤として使われる四酸化二窒素で、強い毒性と腐食性がある」。つまり落下物の脅威だけでなく、毒ガスの危険性もあるわけである。
「サーチナ」には、ロケット残骸の落下についてのニュースが、外にも沢山取り上げられているので、その幾つかを紹介しておこう。なお「サーチナ」の記事は、中国の新聞やネットから集めたものであり、別に秘密にされているものでもなんでもない。昨年の7月11日、データ中継衛星「天鏈1号02星」を打ち上げたロケットが、貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州鎮遠県の大地郷に落下した。昨年7月5日、甘粛省蘭州市西固区で、「人工降雨用ロケット弾が民家に飛び込んだ。ロケット弾は屋根を突き破り、台所に置いてあった洗面器を貫いた。すぐ近くで住人女性が食器を洗っていたが、けがはなかった」などだ。(つづく)
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