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2012-04-08 00:00
(連載)消費増税より相続資産からの課税強化を(6)
鈴木 亘
学習院大学教授
もちろん、将来的には、社会保障の為に国民負担が高まることはやむを得ない。少子高齢化のスピード・マグニチュードから言って、社会保障費をいくら効率化しても、負担増は避けられない。私は負担増には反対しない。しかし、その負担引上げが消費税でなければならない理由など全く存在しない。いやむしろ、これまで論じてきたように、消費税引き上げは社会保障目的としては望ましくないのである。
この点、私の意見は、単に景気が悪化するからとして消費税引き上げに反対している民主党の慎重派議員たちとは全く異なる。彼らが消費税引き上げを拒むのであれば、今、民主党が一体改革として出している社会保障のばらまき案を引っ込め、社会保障の効率化を進めることを逆に提案すべきである。社会保障のばらまきは放置しておいて、単に消費税引き上げだけに反対するというのは、あまりにも無責任だ。
景気が心配であれば、景気を悪化させない相続資産からの課税を社会保障財源にするという方法もあるのだ(相続資産からの強化によって、高齢者が消費を増やしたり、生前贈与を増やせば、景気が回復する)。しかし、議論の順序として、今後の社会保障の規模・内容をどうするかをまず話し合い、それに適した負担の在り方、方法を、一からきちんと論ずべきである。
弱体化著しい「賞味期限切れ」の民主党政権と、それにつけこんだ財務省・厚労省に良いように歪められている一体改革、増税論議であるが、国民は今こそ、いったん冷静になって考えるべきである。消費税増税を拒否することは、後の世代に負担を先送りすることでは「決してない」。むしろ、現在の安易な消費税引き上げこそが、後の世代にさらに大きな負担や問題を先送りすることになると、私はかたく信じる。(おわり)
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