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2012-03-07 00:00
(連載)北方領土交渉:日本政府はこの「チャンス」を生かせるか?(2)
飯島 一孝
ジャーナリスト
日本政府は、このプーチン氏と再び切り結ばなければならないが、この問題が発生してからすでに66年も経っており、これ以上解決を遅らすわけにはいかないのも現実である。では、日本側としてどう対応すべきか。以下に3点を上げてみたい。第1に、日本にとってプーチン氏は最強だが、最良の交渉相手とも言える。領土交渉に一番通じていて、法律家として決着を付けるべきだと主張しているからだ。しかも、一時に比べ支持率は下がったとはいえ、政党や官僚だけでなく、領土問題解決に必須な軍隊をも説得できる力をもっている。大統領の任期が今回から6年に延びたのは、むしろ好都合である。この間に何としても解決に結びつけたいところだ。
第2に、領土交渉では解決の入口論でとどまらず、出口論を積極的に議論すべきだ。日本政府は現在、「4島の日本への帰属確認」を譲れない一線としているが、すでにロシア側に拒否されたもので、いつまでもそれに固執していれば解決が先送りされるだけだ。2島プラスアルファ、あるいは3島返還論も視野にいれて解決の道を模索すべきではないか。中国との領土問題だけでなく、最近のロシアの領土問題はいずれも「ウイン・ウイン」の解決案、つまり、双方が譲歩する形で解決に至っている。
第3に、これが一番肝心だが、日本政府が領土交渉に耐えられるよう、政権基盤を固めることである。最近の政権のように毎年交代していては、国家の尊厳に関わる領土交渉を持ちこたえられないだろう。それ以前に、ロシア側が本気で交渉に加わろうとしないだろう。
国内には「4島一括返還」にこだわる意見も根強くあるが、両国に世論があり、国民の意向を無視しては交渉での解決はおぼつかない。そのためには政治家や外交官に任せるのではなく、国民自身が現実を直視して、この問題に対する議論を深める必要があると思う。できればロシアの国民ともこの問題で議論し、両国関係を発展させる方向で解決策を模索していくべきだ。長年ロシアをウオッチしてきた筆者としても、相互理解に貢献したいと考えている。(おわり)
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