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2012-02-21 00:00
(連載)成果期待できない首相の沖縄初訪問(2)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
この結果、首相の初訪問は沖縄に対する「謝罪」から始めざるを得なくなった。「申し訳ありません」と頭を下げて、その上で「ところで普天間移設問題は・・」と切り出して、今度の在日米軍再編の日米合意を説明しても、相手は心を開いて首相の言葉に耳を貸すだろうか。首相が知事らに説明するだろうと予想される内容は、すでにマスコミで報じられている。今さら「ここだけの話」などと「隠し球」を出せるわけもないし、元々、そんなものはあるはずもない。首相の訪問日程は2日間だから、この時間を可能な限り有効に使うだろう。場合によっては、知事と非公式な差しの会談も想定できる。
知事との会見は通常、地元マスコミの慣例で「公開」が原則だ。先日の防衛相と知事の会談は、防衛省の強い要望で公開は冒頭の5分間に限られ、後は非公開となった。首相と知事の会談もおそらく、同様の手法が取られるだろう。断っておくが、私が言う「非公式会談」は、それとは別に行われる内々の会談のことである。首相は知事に、それこそ「正心誠意」沖縄県民の「基地負担の軽減」、「普天間の固定化はない」ことを約束するだろう。だが知事らのスタンスは、そのこと自体は当然のこととして、その上で「その具体化のための方策、政権の意志」を求めるはずだ。首相はそれに説得力のある話でどう答えるかである。
私はこれまで、民主党政権の外交・安保問題のふらつきを再三指摘してきたが、最も根本的な問題は政権に普天間移設に本気で取り組んでいるという「熱気」が伝わってこないことだ。繰り返しになるが、野田首相の初訪問が首相就任から半年目という事実に端的に表れている。当初予定された8000人の海兵隊のグアム移転は4700人に縮小される。残りはオーストラリア、フィリピンへのローテーション配置だが、沖縄県外の本土への移転も想定しておかなければならい。
それと、グアムへ縮小移転される部隊の態様、移転時期、嘉手納基地以南の6施設(基地)の返還時期と内容だが、いずれも今後の日米交渉でどうなるのかは、現状では予測もつかない。そしてもう一つ忘れてならないのは、海兵隊の移転規模縮小に伴う日本側の費用負担だ。現状では移転規模縮小に見合った減額となるのかも分からない。財政再建を急務とする野田政権は、グアム移転に説明のつかない費用を使えないはずだし、予算の使い方次第では場合によっては、沖縄返還当時の軍用地の復元補償にまつわる「密約」の再現ともなりかねない。何一つ目を離せないのが、今回の在日米軍再編の中身である。(おわり)
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