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2006-07-31 00:00
早急にテロ資金の撲滅を図れ
田村 久雄
会社員
ASEAN加盟国間にはテロへの対応を巡って温度差があるとの見方がある。2001年9月の同時多発テロに引き続く同年10月の米国のアフガン攻撃の際に、シンガポール、タイ、フイリピンはこれに賛成したが、イスラム教国であるインドネシア、マレイシアが反対したことや、本年7月25日に行われたASEAN外相会議でレバノン情勢を巡って当初意見の一致が見られなかったことも一例に挙げられている。しかし、これは正に温度差に過ぎず、基本的にASEAN諸国はテロに反対であることでは一致していると考える。このことは2002年7月にブルネイで行われたASEAN地域フォーラム(ARF)第9回閣僚会議において「テロ対策について継続的に取り組むこと」を全会一致で確認していることでも明らかである。
かかる背景の下でASEAN諸国として今一番要請されているのが、テロを封じ込めるためにその資金源を絶つための不良資金規制の強化である。ミャンマー、フイリピン、インドネシアでは金融機関の透明性が確保されていないと指摘されている。一部の国では麻薬資金がマネーロンダリング(資金洗浄)を経てテロ資金として還流されていると言われている。この意味で国際金融取引の透明性を確保することが肝要であり、ASEAN各国共に金融機関の非居住者勘定設定基準の厳格化を図ること、疑わしい取引の摘発、取引当事者の信用調査を精査することによって、マネーロンダリングの疑いがある取引や銀行口座を一掃することが求められている。インドネシアでは既に2回のテロが起こっており、資金源はアルカイダ、ビン・ラディンと結びついているとの見方が有力である。資金規制を強化することによって、テロ資金の枯渇を図ることはテロ防止にとり最良の策である。しかしこの面でのASEAN加盟国間の協力は現在まで余り進んでいない。
日本とASEANとの間で初めてのテロ対策に関する専門家レベルの会合が本年6月末に東京で開かれた。この結果陸上輸送、国境管理、海上輸送、テロリストのリハビリ等を含む9分野において、日本が無償資金を活用して、ASEANの施策を支援することになった。この会合は今後のテロ対策分野での協力のレールを敷いたものとして重視されているが、今後は資金規制問題に関するASEANの対応とこれに対する日本の協力も具体化されるべきであろう。
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