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2012-01-27 00:00
(連載)オバマ大統領の一般教書演説に思う(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
政府の取り締まりを強化する立案として、大規模の金融不正を取り締まるため、及び投資者を保護するため、不正を行った金融業界を処罰するための法を制定し、住宅危機に陥った原因と無謀な貸付調査を拡大するため、財政犯罪部隊(Financial Crimes Unit)も設立する計画を発表した。米国は自国の経済を守るため「全員が責任を担う公平な社会」の建設を目指すことを示唆した。
また政治に腐敗的な金力の影響があることも指摘し、これを正すためのステップとして「議員が特定企業の株を所有することにも限界を定める必要がある」とし、政治献金を受けた特定の政治家とロビー活動家との関係における「ロビー活動の見直し」なども力説した。更に、国際貿易上の課題として、中国が米国の映画、音楽、およびソフトウエアを無断で出版するような著作権侵害や、海外の製造業者による不当な助成金の利用、中国のような国の不正な貿易慣行の調査、または安全性に問題のある製品流入の監督を強化するため、貿易法律施行部隊(Trade Enforcement Unit)を発足させることも発表した。
教育の重要性に付随し、地域では、情報管理技術からハイテク製造のスキルを持つ労働者の需要が高くなっているため、雇用の増大には「失業体制から雇用体制」への変化の重要性をあげ、教師および生徒両方の教育基準を各州が増強することも提案した。しかし、困窮した予算で多くの教師が解雇になり、自分の乏しい収入から、教育用資材を購入し、骨身を惜しんで教育に献身している教師も多く存在する事実を語り、創造性と情熱のある教師を支援し、学生が高校卒業まで退学しないですむようにすることを提案した。また、大学生はカード負債より、教育費ローンの負債が多いため、議会は、今年7月の利息率2倍計画を中止することや、勤労学生のための仕事を5年間で現在の2倍に増やすことも提案した。また、予算不足の連邦政府は、教育費の補助金を出し続けることは不可能なため、州も教育への予算づくりを優先的に行うことで、米国全家庭の子供の教育を可能にする「コースの再設計」などの考案の必要性を述べた。
またエネルギーの分野では、過去3年間、石油やガスの探索のため莫大な土地がオープンになったことを述べ、昨年は過去16年間で、外国への石油資源の依存がもっとも低下した年であったことを強調した。更に「石油やガス資源には海底掘削75%の潜在性がある」としながらも、基本的には、昨年と同様、クリーン・エネルギー、安い資源なども含めて、利用可能な資源は全て利用する政策を維持する方針を示した。特に、大統領は、国民の健康と安全性を犠牲にしない方法で、米国で100年近い供給が可能な天然ガス資源の利用をクリーン・エネルギー開発に直結させることで、新たな雇用拡大の可能性を力説した。また、「クリーン・エネルギー政策の公約から逃れることはしない」と述べ、この分野での減税と雇用拡大のための法案の可決を要請した。(つづく)
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