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2012-01-16 00:00
(連載)金正日総書記死亡の報に接して思うこと(1)
六辻 彰二
横浜市立大学講師
金正日総書記がついに死亡しました。この数年来、体調不良が伝えられていたので、ある意味では驚くことでないのかもしれませんが、それでも唐突の感は否めません。昨年9月に出版された『世界の独裁者』(幻冬舎)で取り上げた20人のうち、カダフィに次いでの死亡です。果たして、これで北朝鮮がどうなるのか。TVをみていると、政府も有識者も、あるいは海外メディアもいろいろと予測していますが、大きく分けて二通りの見方があるように思います。
一方には、世代交代が進んだことで、過去との決別が可能であろう、拉致問題や核・ミサイルといった旧体制の弊害が改善される契機になるだろう、という見方があります。しかし、この期待には同意するのが困難です。北朝鮮で金正日が一人で物事を決めていたのなら、最高責任者の交代で大きな変革が生まれる可能性もあります。
しかし、現実には金正日は、大きな政治的影響力をもつ軍部の歓心を買いつつ、これを抑える形で権力を維持してきました。つまり、「独裁者」とはいえ、一人で万事を決めていたわけでないのです。ですから、世代交代したことで、自動的に北朝鮮が国際社会に復帰するとは、ほとんど期待できません。
第二に、金正日の退場によって北朝鮮が不安定化する、という見方があり、こちらの方が現実に即した予測だと思います。後継者となった金正恩や、金正日の妹・金敬姫らは、軍と長く無縁でした。彼らが金正日ほどに軍をコントロールしきれないだろうことは明らかです。したがって、軍が政府中央への発言力を強めることにより、「瀬戸際外交」やミサイル輸出といった、軍の存在感をアピールする北朝鮮の行動が増えることが予測されます。(つづく)
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