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2011-12-13 00:00
「日本青少年訪中団」に参加して
大沼 瑞穂
東京財団研究員・政策プロデューサー
先月下旬、「日本青少年訪中団」に参加して、北京、昆明、広州を1週間かけて回ってきました。中国の環境・省エネ活動の視察を目的とするもので、私の属した分団には、およそ30名が参加しました。分団員は、環境コンサルティングや建設関係などの民間企業勤務者、大学教員、自治体職員、政治家秘書、NPOメンバーなどの多彩な分野の人々で構成されていました。最初は慣れない様子のメンバーも帰国日にはすっかり打ち解けていました。
「日本青少年訪中団」は、中華全国青年連合会の招きで2008年より実施されています。中華全国青年連合会は、中国共産党の指導下にある団体の一つで、中国共産主義青年団(共青団)を核とする各青年団体の連合組織です。胡錦濤・国家主席や次期総理と目される李克強・国務院常務副総理の出身母体でもあります。こうした背景から、各地で共青団の書記がホストとして出迎えてくれました。
中でも印象的であったのが、周東・共青団昆明市委員会書記でした。32歳で同い年かつ女性ということもあって、意気投合しました。日中間での環境・省エネに対する認識の違いや今後の日中間の経済協力など幅広い分野で意見交換できました。そして昆明の白酒を何杯も平気で乾杯する姿には「本当にあっぱれ!」という感じでした。
さらに昆明市は全国でも「幸福度の高い町」として毎年10位以内に位置づけられているということでした。ランクインされるための項目についてたずねたところ、(1)安心・安全度、(2)若者の失業率、(3)都市の環境政策、(4)通勤時間などを点数化して決めるとのことでした。幸福度を測る指標として挙げられた4点ですが、この4点こそ中国の都市が抱えている問題でもありました。まさに表裏一体の関係です。治安の悪化、若者の失業率の増加、環境破壊、車所有者の急激な増加による道路混雑。これは、北京でも広州でも同様に深刻な問題でした。幸福度ランキングという言葉の中に、中国の抱える現在の問題を垣間見たような気がしました。
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