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2011-12-06 00:00
中国に対する日本の対応は、複眼指向で
湯下 博之
元駐フィリピン大使
11月下旬に中国を訪問した玄葉光一郎外相が中国で「異例の厚遇」を受けたと報ぜられた。外相会談に先立ち温家宝首相が30分以上も意見交換を行い、楊潔篪外相との外相会談の後は、載乗国国務委員(外交担当、副首相級)とも会談したという。今月の野田佳彦首相の訪中を前に、日本との対話を重視する姿勢との見方も報ぜられた。同時に、中国海軍の艦艇計6隻が、玄葉外相が中国訪問中の11月22~23日にかけて、沖縄本島と宮古島の間の公海上を太平洋に向けて通過したことが報ぜられた。玄葉外相の中国訪問との関係は分からないとの見方も報ぜられた。
以上の二つの出来事を関連づけて考えれば、中国の二股外交という見方もなり立ち得ようが、私は、むしろ、これら2つの事柄はそれぞれ中国の2つの面を表わしたもので、いわば中国の多面性が表面化したもので、その間に矛盾やそごがあると見るべきではないと思う。即ち、中国政府が日本政府との対話を真剣に望んでいることは事実であるが、それだからといって、日本が気にしている中国艦艇の日本近海の通過(公海上の通航であって、国際法には違反しない)をやめる考えはない。逆に、中国艦艇の通航はやめないが、他方、日本との対話を望むことにも偽りはない、ということだと思う。
これに対する日本の対応としては、一つの面だけを見て判断するのではなく、複眼思考で見るべきであると思う。そして、好ましい面はどんどん伸ばし、好ましくない面については適切に対応して、これを抑える方向に持って行くべきであると思う。中国が国際社会における「責任ある利害関係者」になるようにし向けるためには、そのような努力を米国やアセアン諸国その他と協力して行うことが大切である。
黒か白か、好きか嫌いか、ではなく、多面性を持つ相手に複眼思考で取り組むことが大切であると思う。来年は日中国交正常化40周年の年であり、このことが特に大切な年になると思う。
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