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2011-11-27 00:00
野田首相は何故、語ろうとしないのか?
尾形 宣夫
ジャーナリスト
今年度の第3次補正予算が成立した。総額12兆1000億円、うち9兆2000億円が大震災復興関連だ。復旧・復興に本格的に取り組む予算ができたわけだが、震災から8カ月も経ってしまった。被災地にはもう雪が舞っている。予算ができたといっても、その執行は年明けになる。あまりにも政府の対応は遅すぎる。今さら触れたくもないが、被災地の瓦礫はいまだにうず高く、仮設住宅も万全ではない。何かと不自由な仮設住まいだが、それさえも手が届かず、流浪の生活を強いられている人たちは、数え切れないくらいいる。「フクシマ」に追われて故郷を遠く離れた人たちに、延び延びになっていた統一地方選の機会が回ってきた。が想像するに、日々の生活に追われて、選挙どころではないのではないか。投票率が異常に低かったことも、それを表している。
3次補正予算が遅れたことを悔やんでも、「今さら何が変わるのか」と被災地の人たちは政治の冷たい仕打ちに冷たい視線を注いでいるはずだ。解せないのは、あれほど3次補正が急がれると言っていた野田首相が、予算案成立を受けて「一言」も国民に語り掛けなかったことだ。TPPや消費税増税では国際会議で大風呂敷を広げ、語ったにもかかわらず、肝心の国内では相変わらず「語らない首相」を続けている。寒い時も暑い時も選挙区の駅頭に立って街頭演説したという首相は、就任以来、公式会見以外に国民に語ることを拒んできた。
TPPや消費税増税にかかわる首相の言い分は、筆者のWeb(「鎌倉日誌」「徒然日記」)を参考にしていただきたいと思うが、”情緒的”で”観念的”な総論を聞かされることに国民は飽いた。具体的で、この国をどうしようというのか、どうしたいのかをはっきり、直接語ってもらわないことには、国民はますます政治不信を高めるだけである。自ら正しいと信ずるなら、何故、国民に向き合おうとしないのか、理解できない。民主党政権に対する国民の「諦め」に目をつぶるようでは、何のための政権交代だったのか、を自ら認めるようなものではないか。
はっきりしているのは、野田政権がこのような状態を続けるなら、「消費税」は政策として議論の俎上に上ることはあっても、日の目を見ることにはならないだろうということだ。首相が10月末の所信表明演説で言った「今、私たち政治家の覚悟と器量が問われている」を、そのまま自らに言い聞かせてほしい。そして、「希望の種」をまき、「希望の芽」を育て、「希望の花」を咲かせるよう、国民を勇気づけるのは、ほかでもない野田首相の責任であることを忘れてもらっては困る。
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