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2011-10-13 00:00
(連載)焦点が定まらない野田政権(2)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
事業仕分けで凍結された同じような事例は、全国各地にある国の出先機関の庁舎建設でも当てはまる。出先機関はかねてより都道府県との二重行政が問題となっており、民主党政権は昨年6月に出先機関の「原則廃止」を閣議決定、さらにそれに先立って統廃合の対象となる機関が入居する合同庁舎建設計画を見直し、計画中の35カ所のうち22カ所を凍結している。ところが今年度予算では前橋、世田谷、立川、熊本各地方庁舎の計画(予算額は1億3300万円)が再開、来年度予算の概算要求にも仙台、高松など4カ所の新・増設を盛り込んだ(朝日新聞10月5日付朝刊)。今年度予算で再開した4件は野田首相が財務相の時だった。
事業仕分けで切られた事業が、どういうわけか事業名が変わってよみがえる例は少なくない。合同庁舎の案件も似たような“細工”があったのだろう。廃止・凍結された案件が、いつのまにか予算計上され、“生き返った”などは、民主党政権の政治主導がまやかしだったことの証拠といえる。
元総務相の片山虎之助「たちあがれ日本」参院幹事長は、野田内閣を「直勝内閣」と参院予算委員会で批判した。財務省の勝栄二郎事務次官の名前をなぞって“財務省主導”の政権だと断じたのだが、野田首相の政治姿勢が財務省寄りなのは永田町、霞が関の常識だ。朝霞宿舎問題は、大震災対応が最優先される状況の下で、民主党政権にとっては無駄を排除する格好の材料だったのに、その判断を変えることをしなかった。その間違いが、二転三転して今回の「凍結」に落ち着いた。
鳩山元首相が沖縄の普天間移設問題で「最低でも県外」と言っておきながら、最後は米海兵隊の“抑止力”を理由に旧政権当時に日米両政府が合意した「辺野古移設」に戻った迷走ぶりが思い出される。野田首相も政策の優先順位を政治的に判断できなかったツケが表れたのである。(おわり)
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