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2006-07-03 00:00
ASEAN諸国の農業面での成功に学ぶべし
青山 茂
会社員
ASEAN諸国の繁栄は、その工業化、特にそのハイテク産業の隆盛が支えていると言われていますが、この背景にはこれら諸国が農業、食料問題を解決したことを忘れてはならないと考えます。ASEANの各国が戦後の国造りの当初の段階において、パイロット農場の建設と運営、そこで開発された技術の伝播、農業協同組合の組織、灌漑設備の充実等の施策により、農業振興に最優先を置いて来た結果であります。
その中でもとりわけフイリピンの国際稲作研究所(IRRI、日本も応分の拠出金を出しています)によって先導された「緑の革命」は大きな役割を果たして来たと言われています。IRRIが開発、育成した病害虫に強い稲の品種IRはASEAN各国の稲作生産の飛躍的増大をもたらして来ました。この結果1970年代後半の数年間のカンボディアを最後にして、この地域では飢饉が発生していません。ASEAN人口の60パーセントを占める3億の農民にとっては、今や食べることの心配は全くなくなっています。更に1980年代末以来、ASEANでは米の生産増加率は人口増加率を上回っています。この中でもタイとヴェトナムは世界で第一位と第二位の米の輸出国となっています。
このIRRIの技術はその後アフリカにもたらされて、IRRIとアフリカ稲作開発協会(WARDA)との共同研究と開発により矢張り病害虫に強く、アフリカの気候、風土に合ったネリカ米(New Rice for Africa)として結実し、今後のアフリカの食糧問題解決に大きな役割を果たすことが期待されています。工業面のみならずASEANの農業面での成功の経験は、同時にアフリカ、中近東、中南米諸国の国造りの上に置いても注目され、踏襲されるべきモデルとなっています。同時にこれらの地域に対する日本のODA実施に当っても、十分に考慮されるべき点であると考えます。
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