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2011-09-12 00:00
(連載)米国の9.11記念報道番組を観て、思う(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
ダナ・プリーストは『トップ・シークレット・アメリカ』の中で、9・11後、米国が築いた国家機密安全保障の詳細を批判的そして詳細に紹介し、如何に9.11が米国を変えてしましたかを検証している。このドキュメンタリーのテーマは、「対テロ戦争」の動機を「怒りと恐怖に導かれた決断」であるとし、内容の主要点は、「この戦争は最初から極めて機密性の高い戦争であり、情報を必要とする戦争である」ということである。「最初から秘密に満ちた戦争である」理由について、プリーストは「敵が誰なのか、その敵はどこいるのか、様々な未知の恐怖があったため、政府は、入手情報をすべて取り締まる必要があった」と述べた。上記したブッシュ氏のインタービューでも明白な通り、ブッシュ氏は「戦争ゾーンの大統領であると自覚し、多くの決定」をしたことで、「対テロ戦争」の戦略として国民が知らない間に、次から次ぎに夥しい数の秘密組織を結成した。
ブッシュ政権第一期目に米国の対テロリズム専門家として、アルカイダ戦略を統率したコファー・ブラックは、ブッシュ氏について、映画007の「殺害を認可するタイプ」の戦争を開始し、「本人の生死に関わらず、オサマ・ビンラディンを探せ」と命令し、「20項目の決定を非常に素早く行い」、数々の「冷戦後最大の秘密作戦を許可した」と、述べた。当時、ブッシュ政権下で、対テロリズム安全保障グループの議長に任命されたリチャード・クラークは、「大統領は、新たな戦争に必要なものは全て準備すると決心し、我々が必要なものは全て提供すると言明した」と語った。2002年までには、当時の米国国防長官、ドナルド・ラムズフェルドが、ペンタゴンでの秘密グループ結成の拡大に努め、金力と権力を増強させた。また、証拠もなくイラク侵略に大量破壊兵器を掲げ、アメリカ特殊作戦部隊を結成し、2003年3月から開始したイラク戦争の指揮に努めた。更に、米国国土安全保障省と司法省が提携して作り上げたテロリズム防止と対応を行う連邦政府合同センターのような組織が、全米の各所、少なくとも各州に一箇所は創設された。このセンターに世界各地から寄せられた情報は一箇所に集められ、分析された情報はFBIに渡される。
これは、9.11後の新たな試みで、テロリズムに直接関係があろうと、なかろうと、警察、郡保管局は、法律施行に関する情報などを収集し、分析する機能を持つとされた。問題は、「情報が曖昧である場合が多かった」ことである。なぜなら「疑わしい行動」、例えば「中東人のような素性の人物が政府関連の建物やその近辺の公園にあるボートやフェリーを撮影しただけで報告された」からである。また、軍部、連邦および州警察、シークレット・サービス、54の連邦政府および州の機関には大統領を保護する前代未聞の安全保障システムが整っている。更に、無人機から飛行機や軽航空機の監視、スキューバ・ダイビング・チームによる海岸線での警備、交通を監視するカメラや高性能双眼鏡、自動車ナンバー自動読み取り装置、米国国土安全保障省の生物学的作用剤を分析する病原菌検波器、すでに定着してきた空港での全身スキャナーなど、最も精巧なテクノロジーが至るところで駆使され、テロリストを探す努力は日夜行われている。米国でテロリストを探し出す組織はFBIであり、5000人のFBI捜査官がCIAや軍部統合特殊作戦コマンドなどの援助を受けて、テロリストの拘束および殺害などの対テロ作戦を行っている。
他にも、テロリズム対策にとりくむ組織や企業が拡大しているが、現在の「経済低迷の時勢に、作戦の効力性や必要性についての再検討はほとんど行われていない」とプリーストは述べている。9・11から2年半後には約86万人が政府の機密組織で働くようになり、約1900社の企業が上層機密として政府に協力参加するようになり、他に約1100の連邦政府組織が上層機密で活動するようになった。これらの機密活動組織は全米17000箇所に及んでいるが、ある一定の地域に密集している。「トップ・シークレット・アメリカ」の中心地は、国家安全保障局(NSA)周辺に位置し、ワシントン・DCの北部56mの区域にある。クラーク氏によると、「NSAは、世界中の情報を吸引する巨大なバキューム・クリーナーを所有」し、傍受した約12億の情報を毎日受理している。これらは全て上層部の機密情報である。テロリスト監視プログラムは、警告なしに米国市民の、ある一定の電話や電子メールの傍受をUSAに認可している。(つづく)
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