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2011-08-23 00:00
(連載)パネッタ米国防長官、「国防支出のさらなる削減」に警告(2)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
極左リベラルへの反論として説得力のあるのは、外交問題評議会のマックス・ブート上級フェローが8月4日に『コメンタリー』誌に投稿した論文である。ブート氏はこの論文でパネッタ氏への支持を明言し、小アメリカ主義の代表的な論客である『タイム』誌のファリード・ザカリア総合監修人に対して明解で力強い反論をしている。ザカリア氏が8月4日付けの『ワシントン・ポスト』紙のコラムで国防費の大幅な削減を求めたのに対し、ブート氏は以下の観点から反論している。
まず、アフガニスタンとイラクでの戦費を含めても国防費はGDPの5.1%に過ぎず、医療・社会保障費の8.1%および冷戦期の国防費の約7%よりも低い。また、国防費の削減によって非軍事面において外交と開発援助が進展するわけではない。対外援助も歳出削減の圧力から逃れられないからである。ファリード・ザカリア氏の議論は、敗北的平和主義リベラルである。
この他に注目すべきは、『ウィークリー・スタンダード』誌のブログが8月3日の記事で紹介しているヘリテージ財団が作成した予算に関する図表である。この図表によれば、広く信じられている見方とは裏腹に「国防費を除外しても、総予算は大幅な上昇が見込まれる」のである。すなわち、国防費を財政赤字増大の元凶だとする見方は全くの間違いだということになる。
レオン・パネッタ国防長官が記者会見で述べたように、財政規律の強化が求められる現状でのアメリカの国防は二つの重要な点を考慮すべきである。一つは安全保障に対する世界各地での挑戦に対処する能力を持つことで、そうした難題にはテロ、ならず者国家、新興大国がある。もう一つは世界最強の軍事力という地位を守ることである。パネッタ長官は前任者のロバート・ゲーツ氏からの政策の一貫性を打ち出した。国防予算に関しては議会の合同委員会でさらに議論される。ここで何が行なわれるかが注目される。(おわり)
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