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2011-08-01 00:00
(連載)政権公約の過ちを繰り返すな(2)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
世界を見渡しても、新興諸国を中心に、原子力発電を導入或いは増やそうとしている国は多く、安全性の問題を含めて日本の技術や支援に対する期待が強い。
地球温暖化問題をも考慮に入れて今後の世界のエネルギー問題を考える上で、安全な原子力発電の普及は、再生可能エネルギーが実用化される迄の何十年かの期間における、人類共通の課題と言える。この分野で、日本が安全な原子力発電の技術と制度を確立し、世界に広めることは、貴重な国際貢献となろう。
以上に述べてきたことにかんがみれば、日本でなすべきことは、「現時点での脱原発」といった現実には成り立ち得ない議論をすることではなく、「原子力発電の安全性確保のために本気で全力を尽くす」ことにより、安心して十分な電力が得られるようにすることである。それなのに、そのような努力がなされていないのみならず、そのような方向づけすら行われていないのは、政治の貧困としか言いようがない。
政府は、今、非現実的な政権公約のツケがまわって四苦八苦しており、それに振りまわされる国民は大迷惑をしているが、そうなったのも、政権公約が実現可能性を含めて冷静によく考えた政策ではなく、時流に合わせた公約を掲げて選挙に臨んだからである。そのおろかさを目のあたりにしているのに、原子力発電をめぐって、またしても現実には成り立ち得ない政策を掲げることは、許されてはならない。(おわり)
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