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2011-07-11 00:00
(連載)玄海原発の再稼働問題その他(2)
茂田 宏
元在イスラエル大使
この観点からは、7月4日、玄海原発の再稼働問題で、同町の岸本英雄町長が九州電力の真部利応社長に再稼働の了解を伝えたことは歓迎される動きである。佐賀県の古川知事も菅総理による説明を待って決断するとしている。菅総理には脱原発を争点に選挙をという考えもあると報じられているが、玄海原発再稼働を佐賀県知事に求めることで日本の復興への貢献をすべきであろう。浜岡原発停止要請で、震災の被害を拡大させた際、菅総理は浜岡だけは例外と述べたのであり、その言葉を守るべきであると思われる。それが他の県での再稼働問題にも好影響を与えるだろう。
今後のエネルギーについて、どう考えるか。長期的視点で良く考える必要がある。6月10日日本物理学会は福島第1の事故を踏まえ、シンポジウムを開催した。そこで有馬元東大総長が講演の一部で「世界のエネルギー資源はいつまでもつのか」を論じている。その内容は、次の通り。石油については、2007年末の可採埋蔵量は1兆2379億バレルであり、現在の生産量が298億バレルであるので、41年少ししか持たない。天燃ガスは可採埋蔵量177兆立方メートルで、現在の生産量2兆9400億立方メートルであるから、60年少ししか持たない。石炭は可採埋蔵量8475億トンで、1年当たり生産量64億トンであるから、133年は持つ。ウランについては、可採埋蔵量547万トン、1年当たり需要量6,65万トンであるから、81,6年でなくなる。
要するに産業革命以来の化石燃料に頼った文明は今小学校に行っている子供たちの時代に崩壊するということである。ウランを使う原発も81年くらいしか持たないと言うことである。CO2を多く出す石炭はまだ持つが、温暖化はますます進むと言うことであろう。中国とインドの需要の増大を考えれば、上記の年数は更に小さくなる。
これは大変大きな問題であり、有馬元総長は資源争奪を巡っての戦争の危険さえあるとの懸念を表明した。風力、太陽光などの新エネルギーは推進しなければならないが、今のエネルギー量を代替しえないであろう。核融合やウラン以外の燃料を使う炉その他、新たなエネルギー源を開発し得るか、あるいは新しい文明の形を作るかの問題である。原発の問題もそういうなかで考える必要があろう。(おわり)
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