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2011-07-04 00:00
(連載)オサマ・ビン・ラディンの文書ファイルが明らかにしたアルカイダの衰退(1)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
昨日の『ワシントン・ポスト』紙によると、死直前のオサマ・ビン・ラディンは、アルカイダ組織の強化を図るため、アルカイダ本部とサテライト支局とのメッセージ交換に明け暮れており、運動は座礁していた様子が最近解読された書類で明らかにされた。米政府担当者によると、ビン・ラディンは、過去数年間のCIAによる無人飛行機によるアルカイダのネットワーク攻撃や財源などの困窮で弱体化した組織を嘆く会話を、アルカイダの幹部らと電子メールで交換していていたようだ。また、反逆者やスパイなどを追跡する防諜部隊を結成していたが、2010年の中頃には、部隊のリーダーから活動が思うように機能せず、「スパイ戦争に敗北している」との苦情を受理していたことも明白にした。
ビン・ラディンの生存中、彼の主な通信相手であったアティーヤ・アブド・アル・ラマーンは、彼の側近の幹部の多くはCIAの無人飛行機による爆破で殺されたため、かなりの苛立ちをメールで表現していたことが明らかになった。米国の「対テロリズム」の担当官は「ラマーンは、後継者を得る速度より、爆弾で殺される方の速度が速いことを伝えている」と述べた。密告者からの情報漏れを防ぐ目的で結成されたアルカイダの保安部隊のリーダーも、ビン・ラディンに同じようなメールを送っている。この組織は、10人以上の密告容疑者が処刑された事件の背後にあるとされている。発見された死体には「アメリカのスパイ」と明記したメモが添付されていたという。
更に、財源にはかなり困窮していた様子が数々のメールの解読で判明している。この保安部隊の組織は「わずか数千ドルの予算」しかなく、他の仲間との密会や行動を制限することを余儀なくされ、密告者の活動を防ぐ作戦を改善させることには予算的にも限界があることをメールで明らかにした。また、ビン・ラディン自身も資金不足を嘆いており、2010年春に送信された彼のメッセージによると、「外交官を誘拐して、その身代金を受理するグループを結成する」ことを指示していたことが判明した。その他の若干のメッセージのもたらした情報は、2008年にアフガニスタンに駐在するパキスタンの大使や『ニューヨーク・タイムス』紙の記者が誘拐された事件に関わったアフガン・タリバンを逮捕する結果に繋がっているが、逮捕された人数は公表されていない。
ラマーンに送られたメッセージでは「財務窮迫」の用語が使用されていた、と米政府の担当官は述べている。しかし、アルカイダの財務担当者に関する情報や特定できる写真などのファイルは存在ぜす、アルカイダの銀行関連の書類は押収された書類からは発見されていないようである。しかし、今後の資金の動きについては、予測可能な見通しがあるようだ。押収された情報の中には、最近、アルカイダのリーダーとしてビン・ラディンの後継者となったアイマン・アル・ザワーヒリーとの交信文書も含まれており、両人とも「米国とアルカイダの闘争が『宗教戦争の前線』であることを、一般的にイスラム教徒が理解していない」ことに苛立ちを表明し、アルカイダの暴徒がイラクや他の各地でイスラム教徒も殺害しているため、イスラム教徒同士の間でアルカイダの評判を落としていることへの懸念も伝えている。(つづく)
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