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2006-06-16 00:00
台湾の日本離れを危惧する
宮永由起子
通訳者
日台間の渡航者数は、昨年度は来往ともに110万人を突破したそうで、じわじわと伸びているようです。しかし、それにもかかわらず、日台間の相互理解というか、親近感は李登輝政権時代と比べると薄まってきているように実感します。何と言っても李登輝さんは京都大学卒で、日本人以上に流暢な日本語をしゃべり、多くの日本人の友人をもっていました。それが陳水扁さんではそうはゆきません。十年くらい前までは台湾で開かれる会議では日本語が使われたこともありましたが、いまでは全部英語です。若いひとは米国留学組がほとんどです。そこへそのような世代を代表するかのように反日・親中路線を明確に打ち出した馬英九国民党主席が登場しました。
馬英九国民党主席は国民党内で支持率を急速に伸ばすだけでなく、次期台湾総統に選ばれる可能性も増えています。中国はこのような台湾の変化を歓迎しているようですが、不可解なのは米国で、米国も陳総統に冷たく、馬国民党主席を歓待する動きを示しています。こうした台湾をめぐる動向は、日本にとって決して好ましい動向ではありません。2008年は日本、台湾、米国で新政権が誕生し、中国では北京オリンピックが開催されます。このようなときに、日本は台湾の様々な層との交流を維持、発展させて、先輩たちの築いてきた日台の特別な親近関係の維持に努力すべきです。
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