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2011-04-28 00:00
(連載)人材育成の理念が必要(1)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
日本は天然資源に乏しく、人材が最大の資源であると言われている。しかしながら、最近は、その人材についても種々問題が生じている。大学進学率の高さだけを見れば、人材育成に十分な時間と労力が割かれているように見える。しかし、その成果について見ると、何とも嘆かわしい状況であるとしか言いようがない。問題は、人材育成に当てられる時間や労力の量ではなく、質にあると思われる。そして、何故そのような問題が生じるかと言うと、人材育成の理念がおろそかにされているからであると思う。
学校教育においても、個人やグループの能力を伸ばすことよりも、画一的な教育が優先されていて、のびのびとした良い意味での競争や懸命の努力が軽視されているように思えてならない。運動会の徒競走で1等、2等といった順位を付けた表彰をしないというに至っては、あきれるほかはない。勉強も、基礎をしっかり身に付けないままに、受験技術修得を目指した空回りの努力で、エネルギーをすり減らしているように思えてならない。
エリートの養成についても、最近は、エリート養成は悪であり、平等が善であるといった感じで、エリートを育てようとしないように思える。しかしながら、しっかりしたエリート層の存在がなくては、優れたリーダーの出現や社会の発展も期待できないであろう。
日本の政治に優れたリーダーが乏しくなってから久しい。かつては優れた首相候補が複数いて、日頃から経験と勉強を重ね、一人の首相が失脚すれば、資格十分の別の候補がとって代って政権を担当した。ところが最近では、残念ながら、時の政権が経験と勉強の不足で失敗をくり返しても、それにとって代れる受け皿がないままに、リーダーシップを欠いた政治が続いているように思う。(つづく)
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