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2011-04-08 00:00
(連載)日本はクリーン・エネルギーで世界をリードすべきだ(1)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
福島原発事故後、原子力発電の安全性に関し、白熱した議論が展開されるようになり、世界に及ぼしている影響は大きい。ドイツでは原子炉17基中7基を3ヶ月間閉鎖し、新たな安全基準による点検をすることを決定し、スイスは改修作業計画を保留した。中国は安全基準が改善されるまで、新たな建設計画を保留すると発表した。西アフリカはロシアから購入する予定だった原子炉設備の注文をキャンセルした。日本では福島第一原発で深刻な状況が続いている事態を受けて、原発廃止を訴える運動が全国各地で展開されているようだ。東日本大震災は「地震と津波が想像を絶する規模」だったと言われるが、福島第一原発は、予期しない大規模の地震や津波の前でその耐震性と安全性に限界があったことを明白にした。
ウキリークスが入手した情報をもとに、4月4日付けの『The Telegraph』は、「福島原発は安全基準が時代遅れであり、問題があることを、2008年12月年に国際原子力機関(IAEA)から警告されていた」と報じた。IAEAの警告は、「福島原子炉では、マグネチュード7以上の大規模地震には耐えられない設計になっている」としたため、日本政府は安全基準の改善を約束したとされている。しかし、その後、どこまで改善されていたのかが大きな疑問である。IAEAの警告は正しかったことが証明され、東京電力および日本政府にとっては大きな教訓になったはずである。枝野官房長官は3月29日に首相官邸で行った記者会見で、「クリーン・エネルギーを強力に推進していくことが復興の柱である」旨を語った。この方針は今後、段階的に原子炉を廃止し、人体と環境への安全性を第一優先するため、「ウィンド・パワー(風力発電)とソーラー・エネルギー(太陽光発電)の開発を徹底して推進する」との印象を与えた。
原子力発電には利点も欠点もある。最も大きな利点は、石炭、石油などの化石資源を燃やし、エネルギーに変換する火力発電と比較して、大気汚染や地球温暖化の原因となる二酸化炭素を発生させないことだ。最大の欠点としては、炉心溶融(メルトダウン)の発生等により、原子炉格納容器に何らかの損傷が生じた場合、放射線物質が外部環境に漏れることである。福島第一原発の現在の状況は、パーシャル・メルトダウンと言える状態である。『World Nuclear Association』によると、現在、440基の原子炉が30カ国で運営されており、1970年代から伸び続けていた原子力発電の生産量は2006年をピークに、少しずつ下がっている。一方、ウィンド・パワーとソーラー・エネルギーの需要は世界的に伸びている。
昨年3月、茨城県で日本初のウィンド・パワーが7基建設され、約7000世帯の電力を賄っているという。3月29日付けの『World Wind Energy Association』 の情報によると、洋上のウィンド・パワーは、風の変化、騒音などの観点から、陸上に設置したものより機能的であるらしい。3月11日の大地震や津波で回転原動機が破壊されることもなく、点検後フル稼働している。今後、洋上の風力発電施設を各地で増やすことが予定されている。グローバル風力協議会(GWEC)は2009年、日本では、風力発電の需要は過去10年で急速に伸びたが、「極端な天候、安定した法的システムの欠如、送電網基盤の問題、および不景気」などが原因で、近年ウィンド・パワーの開発が沈滞していたことを指摘した。(つづく)
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