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2011-04-04 00:00
(連載)政府は、チェルノブイリ事故の教訓を生かせ!(1)
飯島 一孝
ジャーナリスト
東日本大震災で被災した福島第一原発の復旧作業が難航し、放射性物質による被害は史上最大のチェルノブイリ事故を上回る可能性も出てきた。このため東京電力は、あわててフランスの電力会社や原子力庁に支援を要請したが、それよりも実際に大事故を経験したロシアにまず支援を要請すべきではないのか。チェルノブイリ事故の教訓から謙虚に学び、それを生かすことが被害をこれ以上拡大させないための最良の策だと思う。
東京電力は11日の被災以来、福島原発の被害防止に全力を挙げているが、原子炉の建屋外や敷地土壌から発がん性があり、毒性の強いプルトニウムが検出されるなど、被害が次々に広がっている。さらに原発近くの強制避難地区で放射線を大量被曝したとみられる男性の遺体が見つかるなど、人体から環境にまで深刻な影響が出ている。これに対し、経産省副大臣から「(原発事故の行方は)神のみぞ知る」という暴言が出たり、原子力行政の監視役の原子力安全委員長から「(汚染水対策について)どのような形で実施できるかについて、安全委では知識を持ち合わせていない」という無責任な発言が飛び出したりしている有様だ。
このような状態になった大きな理由の一つは、わが国の原子力推進派が人類最悪の事故といわれるチェルノブイリ事故を軽視してきたからだろう。とくに経産省や御用学者は、チェルノブイリ原発が原子炉そのものに重大な欠陥があったことから、「日本では決して起きない事故」と言い切ってきた。今回の事故でも、テレビに頻繁に登場する原子力の専門家とされる東大教授らは、「チェルノブイリとは違う」と端から問題にしない態度を取っている。
だが、現時点から見ると、事故を起こした原子炉が4基もあり、事故から2週間たっても放射性物質の漏えいが続いていることを考えると、チェルノブイリ事故の規模を上回っているとしか思えない状況だ。しかも、一番問題なのは東京電力だけでなく、政府や原子力の監視機関にも、明確な対策と見通しがないことである。少なくとも国民には、この肝心なことが見えてこないので、不安が一層高まっているのが実情である。(つづく)
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