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2011-04-01 00:00
(連載)第三の国造り(3)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
原子力発電所の安全性確保のためには、更に、ソフト面の安全対策も抜本的に強化する必要があるように思われる。今回の福島第一原子力発電所の事故とそれへの対応をめぐっては、安全問題についての電力会社の体制にも種々改善を要する点があったと報じられていることからも、このことは明らかである。
原子力発電についての制度や関係者の発想の中に、おごりや経済性を優先して安全性について甘く考える面があったとすれば、これを機会に謙虚に反省し、安全第一を実践するとともに、それを全国共通のルールにすべきである。安全性の問題のほかにも、東日本と西日本の電気の周波数が異なることから生じた問題についても、この機会に、時間をかけても抜本的な対策を講ずるべきである。
以上のような諸対策をとるには莫大な費用がかかり、それをどうやって賄うかは大きな問題である。しかし、この問題は「第一の国造り」にも「第二の国造り」にもあった問題であり、日本人はそれを乗り越えて発展してきたのである。逃げてはならない。安全性を確保した上で経済性やコスト削減を追求するのでなければ、元も子も失うことを今回の事故が示している。
最近の世の中は、経済性や効率一辺倒の風潮が強いが、経済性と並んで安全性を重視する仕組みを作り、安心して住める国のモデルを造ることが、これからの世界で日本が長期的に発展する道だと思われる。今回の大災害を通じて生まれた一つの良い話は、日本人の忍耐強さと秩序の良さが示されたことであり、皆でやれば大きな力が発揮できるという日本人の長所が再び顕在化したことである。この長所を生かして、是非とも「第三の国造り」を達成したい。(おわり)
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