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2011-03-31 00:00
(連載)第三の国造り(2)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
第一の開国の原因となった「黒船」による開国の要求や第二の開国の原因となった第二次世界大戦の敗戦が全国的問題であったのに比べると、今回の大災害は、広範囲のものではあったが、全国的災害であった訳ではなく、復旧や復興は地域の問題だと考える人がいるかも知れないが、それは正しくない。
何故なら、大地震や巨大津波は日本中どこでも起こり得るし、原発の安全性の問題も全国共通の問題である上、大災害をめぐっての政治や行政のあり方、ライフライン確保のための方策構築等の問題も、全国共通の問題であり、かつ、今回の大災害により、具体的な形で、問題点や必要性が明らかになったのであるから、これらの問題を克服できる国造りが必要である。そして、そのような国造りは、経済面やハード面に限られるものではなく、ものの考え方、生活パターンといったものを含むソフト面をも含むものでなくてはならない。そして、何よりも、国民的合意を得ての国を挙げての努力がなされなければならない。
具体的な構想については、種々の分野の専門家の意見等を持ち寄って、議論を経て打ち出されるべきものである。唯、筆者の考えを敢えて申せば、例えば日本の今後のエネルギー問題について言えば、長期的な政策として太陽光などの再生可能エネルギーの開発に国策として取り組むと同時に、当面及び近い将来の問題として原子力発電の増強は不可避であり、いかにしてその安全性を確保するかに全力を挙げるべきである。今回の原発災害について、地震対策はなされていたが、あのような大津波は「想定外」であったと報ぜられている。
しかし、現実にあのような大津波により問題が発生したのであるから、早急に種々のリスクについての「想定」の見直しをするとともに、全国各地の原子力発電所の総点検をし、対策を打ち立てる必要がある。想定の見直しに当たっては、天災のみならず、テロその他の人災や、北朝鮮からのミサイル攻撃等も含めて検討する必要があることは言う迄もない。(つづく)
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