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2011-03-30 00:00
(連載)第三の国造り(1)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
東日本巨大地震は、地震、津波に加えて原発事故まで発生させ、日本中を震撼させるとともに、全世界に大きな衝撃を与えた。犠牲者、被災者の方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げる。そして、未だに余震が続き、原発事故の影響も予断を許さない状況の下、国を挙げて、被災者の方々の支援と原発事故の封じ込めに全力を尽くすことが、当面の最重要事項であることは言うまでもない。
しかし、同時に、ここからどう立ちなおるか、復興をどのように進めるかについても、国全体としての意思を固める必要があり、その点についての提言もなされ始めている。この点について、私は、「第三の国造り」という発想が大切であると考える。これ迄「第三の開国」の必要性が唱えられ、私もその主張者の一人であるが、今回の大災害とこれを通じて浮かびあがった諸問題を踏まえて考えると、「開国」にとどまらず、それをも含む「国造り」が必要であることが明らかになったと言え、かつ、それを実現する好機が来たと強く感じる。
「第三の国造り」という理由は、19世紀の「黒船」から始まった開国と明治維新、20世紀の第二次世界大戦の敗戦後の国造りを、それぞれ「第一の国造り」「第二の国造り」と呼ぶとすれば、第二次世界大戦後の経済復興の成功による繁栄の後、当時造られた諸制度が制度被労を起こして修正を必要としているのに手がつけられないでいる上に、国際情勢が冷戦から多極化への変化をはじめとして大きく変わり、日本の社会も、少子高齢化問題をはじめとして、問題解決のためには、ものの考え方や制度を変えることが必要になっていることにかんがみれば、今、日本に必要なのは新しい「国造り」だからである。
したがって、今回の大災害からどう立ちなおるかを考えるに当たっては、単なる「復旧」や「復興」ではなく、今回の大災害を通じて明らかになった諸問題をも頭に入れて、新しい「国造り」の発想で取り組まなければならない。(つづく)
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