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2006-06-02 00:00
韓国は中国の民主化に協力するだろうか?
橋本千鶴
学生
私は大学で国際関係学を専攻している学生です。2004年4月に東京で開催された「日韓対話:東アジア共同体の展望と日韓協力」の記録をこのホームページで興味深く拝見しました。小此木政夫慶應義塾大学教授の「日韓提携は東アジア共同体の一つの基軸になり、中国の民主化と自由化を促進するだろう。それがある程度の安定した水準に到達するまで、われわれは東南アジア諸国連合(ASEAN)との間の太平洋ネットワークや米国というネットワークセンターとの接続を重視し続けなければならない」という発言にたいへん啓発されました。
たしかに、日本と韓国は民主主義、自由主義という価値観を共有しています。日韓が協力して中国に民主化を働きかけていくことこそが、東アジア共同体を構想する上で日韓の果たすべき役割だと思います。しかし、現実にはこの当たり前のことの実行がけっして容易ではないようです。日本と韓国はともに東アジア共同体を目指しながら、中国とどのように関わるかということになると、大きな隔たりがあるように見えるからです。
「日韓対話」の記録を読み進むと、文正民韓国大統領諮問東北アジア時代委員会委員長(当時)は、「韓国の目指す東アジア共同体は、東アジア地域の対立と反目の歴史を克服し、信頼・協力・相生の新しい地域秩序を創出するものである」と述べ、「東北アジアが主体となってASEAN+3体制との調和を追求する」東北アジア時代構想を提唱しています。その真意はなになのでしょうか。なお読み進むと、文正民氏は「中国、ロシアのような大陸勢力間の架け橋の役割を果たしたい」「韓米日3者間の安保協力は大切ではあるが、3者間の協力は過去の冷戦対峙及び同盟政治の古くさい論理に陥り、排他的になっては困る」などと発言しています。韓国の考える「東アジア共同体」とは、米国から距離を取りつつ、中国へと傾倒してゆく戦略構想なのでしょうか。背後に北朝鮮との関係があるからでしょうか。経済面だけでなく政治安全保障面でも中国と歩調を合わせつつあるように思えます。
日本がこのような韓国と協調して、中国に対して民主化を働きかけるなどというのは、どうやら一方的な夢にすぎなかったようです。そのようなことが見えてきてから、もう一度小此木教授の発言を読み返してみると、前段の「日韓が提携して中国の民主化と自由化を促進するだろう」というのはリップサービスにすぎず、教授の真に言いたかったことは後段の「われわれは東南アジア諸国連合(ASEAN)との間の太平洋ネットワークや米国というネットワークセンターとの接続を重視し続けなければならない」ということだったのかなあ、とも思えてくるのです。「日韓対話」の当日に会場で質問すれば答えてもらえたのかしら、などと今頃思っています。
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