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2011-03-02 00:00
中国の「ジャスミン革命」の限界
大沼 瑞穂
東京財団研究員・政策プロデューサー
エジプトでの「フェイスブック革命」がひたひたと中東に浸透する中、ついに中国でも「ジャスミン革命」を起こそうと、民主活動家が民主化デモへの呼びかけを行い、当局が一斉に取り締まりをしました。エジプトにおいては、軍の動向が鍵でした。「結局軍はデモ参加者に手を出さない」という中立の姿勢が確定して以降、デモ隊は一気にムバラク政権打倒へと動きました。
中東及び中国のような独裁政権下では、軍が革命の鍵となります。リビアで西部が反政府勢力によって制圧されたとのニュースが流れましたが、これは西部で軍が反政府側についたということのようです。中国においては、中東よりも厳しいネット規制の上、共産党による軍部のコントロールは中東以上です。エジプトやチュニジア、リビアなどの独裁者による軍部統制と、中国共産党による軍部統制では、その歴史も、質も、全く異なります。
「鉄砲から政権が生まれた」という毛沢東の言葉通り、中国共産党と政権は一体であり、新たな軍を率いた組織が誕生し、共産党政権を打倒しない限り、中国共産党の崩壊はないでしょう。
さらに、中東諸国では、「イスラム同胞団」のような組織が、貧しい貧民救済活動を行うことで民衆の支持を得てきましたが、中国における民主活動家の活動は、必ずしも農村や都市労働者の救済活動に結び付いていません。農民が革命の主体にならなければ、中国の体制が変わらないことは、歴史が証明しているところだと思います。
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