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2011-02-20 00:00
(連載)マイケル・グリーン氏との対話(2)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
私の質問に対し、グリーン氏は「スマート・パワーという概念自体は、2007年の増派以前に、アメリカ主導の多国籍軍が反乱分子の攻撃に悩まされた状況から出てきた」と答えた。しかし、「ブッシュ政権が反乱分子の鎮圧に成功してからは、謝罪姿勢の側面は薄れていった」ということであった。スマート・パワーがハード・パワーとソフト・パワーの巧みな組み合わせという意味に限られるなら、私はこの新しい概念を歓迎する。
イラクに関しては、核不拡散も重要な問題である。「バース党政権の敗戦時に多国籍軍が核兵器を発見できなかったため、イラク戦争は正当性を欠く」と指摘する批判が噴出している。中には「イラクは脅威ではなかった」とまで言う者もいる。これは公平でない。イラクは核爆弾を開発していなかったかも知れないが、サダムは国際社会からの圧力と制裁に対して「ネバー・ギブ・アップ」の姿勢を貫いていた。そうした大量破壊兵器保有への持続的な意志こそが、国際社会への重大な脅威なのである。サダムは自国のクルド人とイラン軍に対して化学兵器を使用した。サダムが核兵器を手に入れれば、実際に使用した可能性は高い。
致命的な兵器を開発する意志だけでも、我々には重大な脅威である。最近の中国の軍拡は格好の例である。中国はアメリカの技術を盗用して、J20ステルス戦闘機を製作したと見られている。中国製のステルス戦闘機がアメリカ製のものよりも技術的に遅れているとはいえ、中国はアメリカ空軍に対抗する意志を明確に示している。さらに、中国は、冷戦期のソ連と同様に、対空母弾道ミサイルの開発によって接近拒否能力の強化を図っている。技術的に解決されねばならない問題があるものの、中国が東アジアのシー・レーンを軍事的に支配しようという野心を抱いていることが明白になった。それらの脅威を考慮すれば、私はサダム・フセイン打倒のための戦争が過剰反応だったとは思わない。(つづく)
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