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2011-02-16 00:00
(連載)「スマートパワー時代の日米関係」に参加して(2)
藤本 厚
あかう代表取締役
さらに長期的に見ますと、世界の人口爆発の問題があります。このままでは食料や水資源の不足は深刻化し、その獲得競争から地域紛争を激化させることになりかねません。自由競争は資源が無限にあるときには、それを効率的に利用するための「efficientな方法」ですが、資源が限られているときには、そのまま適用すると人々の間に争いを起こす因となります。「A winner takes all」ではなく、「equitable sharing」 が必要です。「Fair trade」を行っているNPOでは、現地の人にたとえばコーヒーの有機栽培方法を教え、収穫されたコーヒー豆を市場より高く買い、理由を説明して、それを市場価格より高く売って、利益を得ています。
日本国内のことを考えても、食料・エネルギー・原材料の大部分を輸入に依存していますから、世界の人口爆発により、このままではこれから苦しい立場に置かれるであろうと考えます。これを打破するには、科学技術により食糧・エネルギー・原材料の自給体制を作ることが必要です。そのためには「Free Trade」、「Free Market Competition」一辺倒ではなく、「Equitable Pricing」を行う制度も、必要となるでしょう。日本が「Free competition」を唱えていては、自ら首を絞めることになります。逆にもし日本が、このように科学技術によって食料・水・エネルギー・各種資源の問題を解決できれば、世界の人口爆発の問題を緩和、解決し、世界平和に貢献できることになると思います。
日米同盟の「equal partnership」は、日米が同じことをすることではないと思います。ちょうど家庭における夫と妻、父と母のようにお互いに足りないところを補いあって、よいものを作るように、一種の分業であって然るべきであると考えます。これには、異なった考え、方法を互いに認め合うことが必要です。これまで米国は、自分と異なる考えに耳を傾けませんでした。それはその必要がなかったからです。恵まれた経済力と資源を自らの信じるところに従って自由に駆使することによって、自分を十分に満たし、他国にもメリットを分配できました。日本も米国の教えを忠実に護ることで成功してきました。しかし、人口爆発、資源の有限性、途上国の動向、中国の台頭などにより、米国も他国の意見にも耳を傾けざるを得なくなると思われます。
日本としてはまず自らの信条と環境・資源を長期的に考慮して、自分のグランドデザインを創り、それを米国に忌憚なく伝えて、相互理解を深めることが必要と考えます。それが両国の安全保障に貢献するとともに、世界の平和に貢献することになります。日本の再生もそこから始まります。(おわり)
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