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2006-05-29 00:00
第5回「日中対話」の早期開催を願う
庭野吉郎
会社員
2004年9月に「東アジア共同体の展望と日中関係」のテーマでグローバル・フォーラムの主催する第4回「日中対話」が開催されたが、次回「日中対話」はいつ開催されるのであろうか。できるだけ早く第5回「日中対話」が開かれることを期待したい。その理由は、2年前と較べて今日の日中関係は、より緊迫し、より重大な課題を多く抱えているからである。
第一の課題は、靖国・歴史認識の問題である。靖国参拝問題の成り行きは9月に選ばれる新総理次第であるが、その根元にある歴史認識問題についてはことは単純ではない。グローバル・フォーラムのような民間対話の場を通じて初めて可能な徹底的な議論をし、争点を明らかにすることが望まれる。
第二に、東シナ海のガス田開発を中心とする資源開発問題がある。日中両国は、相互に協力と互恵の姿勢で臨む以外に解決のめどはなく、対立と抗争がお互いのためにならないことは明白である。しかし、どのような協力が日中間で可能かを議論する場は限られている。民間対話の場の果たす役割は大きいのではないか。
第三は、長期的かつ広範な人的交流の促進である。現在日本の受け入れている全外国人留学生の8割近くが中国人学生である。また、全外国人技術研修生の7割近くが中国人研修生である。このような裾野の広い人的交流が、今後の長期的な日中関係を強化し、発展させるうえで持っている潜在的な可能性は大きい。そのことについて、もっと突っ込んだ議論が行われる必要があると思う。
グローバル・フォーラムの主催する第5回「日中対話」では、以上のような論点に沿った議論が行われ、閉塞感に満ちた両国政治関係の現状を打破することが期待される。
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