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2011-02-15 00:00
(連載)ムバラク大統領の辞任は、新たな挑戦の始まりだ(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
元国際原子力機関(IAEA)の事務局長をつとめ、ノーベル平和賞受賞者で、反ムバラク政権の主な指導者の一人であるモハメド・エルバラダイ氏は、2月11日の『アルジャジーラ』に「移行期間を1年間に延長する」ことを提案をしている。また、「暫定的な憲法を設定し、最高評議会、軍人および民間人の代表で構成する移行期間の暫定政府を設置することが望ましい」と述べている。エルバラダイ氏の重要なポイントは「正真正銘の自由と公平な選挙、議会選挙および大統領選挙を維持できるようになるまで、1年間、系統的な方法で、軍人とエジプト国民が一体となって問題に取り組む」ことだ。
欧州連合(EU)の外相、キャサリン・アシュトンは「未来を決定するのはエジプトの国民であるが、経験の豊富なEUは、このようなプロセスを支持し、援助する用意がある」とし、またEUは「奥の深い民主主義の建設のため、選挙を監視するだけでなく、選挙の準備、市民社会の構築などに積極的な援助をする用意がある」と提案している。先進国の民主化のモデルを研究している知識人らが、自国にあったモデルを選び、検討することも、一案だ。
エジプトとは長年友好的な外交関係を維持し、30年間多額の援助をしてきたアメリカ政府は、今後のエジプトが、世界の、特に中東の安定化に良い影響を与えるかどうか、注目している。エジプト国内の緊急課題としては、人権保護の問題を挙げ、1981年のムバラク就任以来制定されている非常事態法を「早急に解除しなくてはならいない」と述べている。これは、反政府運動者を告訴も、裁判もなく、拘束したり、ジャーナリスト、組合活動家、労働者人たちを逮捕し、拷問する人権侵害の悪法である。
2月13日、軍最高評議会は、現憲法を停止し、上院・下院ともに議会を解散したようであり、当面、反政府派の声を反映した準備がなされているようだ。しかし、この非常事態法は解除されていない。軍最高評議会は、早急に、この人権問題の回復につとめ、デモ中死亡した犠牲者の調査を開始する必要がある。同日朝から、タハリール広場の清掃作業が開始されたにも関わらず、ムバラク政権下の閣僚が全員辞任しておらず、非常事態法がまだ解除されていないため、未だに数百名の抗議者らが広場に残っているようだ。このような現状は、上記のような疑問や不安が山積しているからであり、ムバラク大統領の辞退は「新たな挑戦の始まりである」と言える。(おわり)
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