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2006-05-26 00:00
とても同意できない小早川氏の楽観論
佐藤晶子
会社員
小早川潔氏は5月22日の投稿記事で、私の投稿した「不気味な中国の文化外交」に反論し、「中国の動きはフランスの動きと同じであり、平和的に推進されている」と主張されているが、現代の中国を取り巻く世界的状況を見れば、それが1960年代のフランスと異なることは、だれの目にも明らかではないだろうか。
中国の急速な経済成長にともない、いまや中国人は世界中のあらゆる場所に進出して、しかも根を下ろしている。例えば、日本人から見れば地球の果てのように見えるサハラ砂漠の南のアフリカ諸国や、ついこのあいだまで紛争に揺れていた旧ユーゴのクロアチアやセルビア、さらには南太平洋のフィジーといった小さな島国にまで中国人が入り込んでいる。南アフリカ在留の中国人はいまや数十万人の規模にも達し、商業分野で一大勢力になっているという。かと思えば、アメリカのロサンゼルス郊外にはプールつきの豪邸に住み着いたニューリッチの中国人たちがニュー・チャイナタウンを形成しているという。
確かに、どこにいっても中国人の留学生、観光客、そして露天商人と出会うし、統計上世界の5人に1人が中国人である。近年の中国の海外進出は、18世紀の海洋アジア交易圏を経て、19世紀以降全世界に拡大した「華僑ネットワーク」の伝統を引き継ぐものであり、それは世界の隅々に自己増殖型のネットワークを張り巡らせつつある。政府の支援がなければ、なかなか外には出てゆかない日本人と比べれば、まことにたくましい中国人の活力である。これにエネルギー資源獲得のため世界各地を飛び回っている中国首脳の像を重ねてみると、中国の文化外交を「平和的に推進されている」「そのことを必要以上に不安視すべきではない」と述べる小早川氏の楽観論には、とても同意はできないのである。
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