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2011-01-25 00:00
(連載)米国の売上税の現状と日本の消費税について(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
米国も、家計貯蓄の低率や膨大な財政赤字など、ほぼ似たような問題を抱えている。米国憲法は、各州の税法の扱いについてある程度州に権限を与えているため、各州の税法は多様化している。7州は個人所得税を非課税にし、加えて他2州は債券の利息や株の配当金収入を徴収するだけの課税制度を導入している。従って、大半の米国民は、連邦政府と州政府の両方に所得税を払っている状態である。日常生活で頻繁に支払う税が一般売上税であり、日本の消費税に相当する。一般売上税は、購入する食料品、レストランなどで準備された食品、薬、衣料品、耐久製品、他の製品全てに課税される。
この売上税率の幅は、各州および州内の各地域によって異なる。『Federation of Tax Administrators』の2010年1月の資料、他複数の参考資料をもとに簡略的に述べると、50州とコロンビア地区で、全面的に売上税が存在しないところは5州ある。最も高い一般売上税率を導入しているのは、8.25%から10.75%(ロスアンジェルス)までのカリフォルニア州であり、最も低いのは、コロラド州の2.9%から8.0までである。購入する食料品を非課税にしている所は、この5州に加えて、他27州とコロンビア地区である。
食料品への課税率は、ミズリー州の1.23%が最も安いが、地域によっては最高9.2%までである。最も高いのは、ミシシッピー州の7%であるが、9%まで課税する地域もある。また、食料品には課税しないが、レストランなどで準備された食事に課税しているのは、アラスカ、デラウェア、モンタナを除く全ての州とコロンビア地区である。この場合の課税率範囲は、コロラド州の最低2.9%からカリフォルニア州の最高10.75%である。購入する食料品と準備された食事の両方に課税しているのは、19州である。
要訳すると、米国の売上税は複雑で多様性があり、同じ州でも地域により税率の差が激しい。このような状況から、食料品はもちろん、車などは売上税の安い地域、又は売上税が適用されない州の地域で購入することも珍しくない。地域の特色も反映し、指導者の能力次第で、州財政は困窮したり、潤ったりする。例えば、全米で平均所得が最も高く、最も高い売上税を導入しているカリフォルニア州が、赤字と負債による極度の財政破綻に陥っている。様々な要因はあろうが、この例は、高い売上税が好景気につながっていないことも示唆している。原油生産が州の財政を支えるアラスカは、個人所得税や州の売上税を非課税にしている唯一の州であり、市民は一般に満足していると言われている。(つづく)
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