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2011-01-06 00:00
(連載)2011年のアメリカ外交の課題(2)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
アメリカはアフガニスタンとイランという中東での大きな課題を抱えながら、世界戦略と地政学での中国とロシアとの競合、そして北朝鮮の脅威にも対処してゆかなければならない。アメリカは中国の「平和的台頭」を封じ込める必要があるが、中国マネーの流入に依存する現状がその障害になりかねない。ロシアとの新STARTによって「核なき世界」が実現するわけでも、2012年の大統領選挙でのウラジーミル・プーチン氏の当選を阻止できるわけでもない。極めて悩ましいことに、イランと北朝鮮の核開発の野望を阻むには、中国とロシアを取り込む必要がある。現在の朝鮮半島での緊張がキム・ジョンイル後の北朝鮮情勢の行方とも絡んで複雑になっているので、中国の動向を監視する必要もある。
世界経済の停滞がアメリカの国防予算の制約になりかねない中で、中国経済は成長している。アメリカの政策形成者達は、現在の米国の国防支出の対GDP比が冷戦期のそれよりも低いことに留意する必要がある。その点に留意すれば、アメリカの指導者達には、経済を口実にして国防への関与を低下させる理由はないはずである。
他には、イスラエル・パレスチナ紛争とレバノン問題で、米国には高度で微妙な外交が必要になる。ウィキリークス問題では、インターネット時代の新しい脅威には従来の安全保障概念では対処できないことが明らかになった。
そのように多くの問題を抱える世界で、中間選挙で手痛い敗北を喫したオバマ大統領は、下院多数派の共和党とうまく渡り合ってゆかねばならない。アフガニスタンとイランに関わりきりだからと言って、他の課題をおざなりにすることはできない。メディアは「アメリカの衰退」を口にすることが多いが、この「衰退」をもたらしたのは、冷戦直後の「歴史からの休暇」という姿勢であった。アメリカは、新しい脅威を抑制する準備ができていなかった。問題は党利党略ではない。アメリカはこの教訓を学んだのだろうか?それが問われるべきである。(おわり)
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