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2011-01-06 00:00
(連載)2011年日本外交に残された道(2)
若林 秀樹
元参議院議員
中国やロシアに「責任ある大国」として国際社会に関わりを持たせていく努力は必要だが、他方で、これら大国の様々な圧力を押し返し、いざという時の防衛体制を備えておくことも不可欠である。そのためには日米同盟を徹底的に活用するしかない。コスト的にもそれが一番安く、効果的な政策だからである。アメリカが基地を提供する日本を利用するように、日本もアメリカを徹底的にしたたかに利用すべきなのである。
米国は、それが自らの国益であるとはいえ、日本に基地を持ち、いざという時には自国民の命を危険にさらしてでも日本防衛の義務を果たそうとしている。すなわち、同盟国である。日本は、その意味を日本の国益と東アジアの安全保障という観点から判断すべきである。もちろん他方で、日本は技術力を生かした地球温暖化対策や貧困削減等の非軍事面での国際貢献や予防外交努力を徹底的に行うべきであることは言うまでもない。
もう一方の経済外交であるが、人口減少が続く日本としては、海外マーケットの力を最大限活用するしか生き残る道はない。具体的には、TPP(アジア太平洋経済連携協定)にせよ、東アジア共同体にせよ、日本は自由貿易体制をつらぬき、各国と自由貿易協定を締結し、徹底的に国としての開放体制を構築すべきである。経済活動を阻害する様々な要因を可能な限り取り除き、一方で影響を受ける農業等の競争力を強化することが必要だ。何もしなければ、さらなる相対的な地盤沈下が進み、日本経済が立ち直れないほど疲弊すれば、「農業保護」に回るお金さえ生み出せないことは自明の理である。
日本は、我が国外交の基軸である日米同盟を強化することによって、盤石な安全保障体制を築き、そのことで逆にアメリカを牽制しつつ、日本の自主性を確保し、アジアの一員として新たな外交を展開できる状況になる。経済的には、技術力を中心に依然として国際的競争力を保持した分野は残っており、それらを日本の新たな成長に結びつけていかなくてはならない。もはや日本に残された時間は少ない。日本は国家主義でも、平和国家主義でもない、我が国の国益に基づき、生き残りをかけた、したたかな日本外交を展開すべきである。(おわり)
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