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2011-01-06 00:00
確かに「谷垣首相」では心許ないが・・・
杉浦 正章
政治評論家
初夢で首相の座でも射とめたのか、自民党総裁・谷垣禎一のボルテージが高い。「全力を挙げて与党を追い込み、解散を勝ち取ることが、今年の目標だ」「政権を追い込んで、政権奪還への道筋を切り開かなければならない。己を奮い立たせて、前に進みたい」と意気軒高だ。まさにバルチック艦隊を前に「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」とZ旗を揚げた感がある。しかし、人がよくて、真面目な谷垣には悪いが、永田町では「谷垣首相」となると、誰もが首を傾げたくなるのだ。時事通信の「次期首相にふさわしい人」の世論調査でも、何と10位の3.2%しかない。
「人がよい」との評価は、昔から「永田町では悪口」とされている。リーダーとしての甘さが漂うからだ。谷垣の人となりをあらわす軌跡を見ると、何と言っても白眉は「加藤の乱」だ。造反して不信任票を投じようとする加藤紘一を、「加藤先生!大将なんだから、1人で突撃なんてダメですよ!」と泣きながら慰留するシーンが、テレビで放送され、「国定忠治の新国劇」とヤジが飛んだものだ。「人前で泣くようでは、政治家失格」と酷評された。総裁になってからも、方向性を疑う言動が目立った。昨年3月の通常国会でも、長崎県知事選の勝利を背景に政権を追い込むべきところを、ピントのずれた国対委員長・川崎二郎の審議拒否の進言に乗って、「今をおいてない」と大見得を切って、審議拒否をしてしまったのだ。もちろん大失敗に終わった。
しかし、人類は年を取っても成長するもので、さきの臨時国会で谷垣は官房長官・仙谷由人の問責決議で“突撃”して、成功した。結果は、仙石の首を挙げる“成果”になろうとしており、野党党首としては大得点の部類に入る。自民党政権時代に財務相をこなした経験から見れば、消費税導入へのキーパーソンとなりうる条件はある。党内を見回しても、人材枯渇が著しい。副総裁・大島理森は時々鋭いが、大衆受けしない。昨年の参院選前から幹事長でありながら、テレビに出るのを控えさせられた。幹事長代理・河野太郎も何故か人気が沸かない。時事の調査では、首相候補にもなっていない。大衆人気を湧かすためにすぐ「女」を考え勝ちだが、小池百合子ではもう薹が立っている。「事業仕分けという虚飾」の蓮舫の露出過度で、「『女』は飽きられている」のだ。
幹事長・石原伸晃はひ弱なところがあり、まだ10年早い。小泉進次郎に至っては50年早い。こう見てくると、様になるのは消去法で言って谷垣か、政調会長・石破茂くらいしかいまい。石破は破壊力があり鋭い。調査でも8.4% でトップだ。知られていないが、2ちゃんねるなどネット上で結構人気がある。しかし、関ヶ原を前にして敵前で谷垣を石破茂に代えるわけにはいくまい。ここは谷垣で突っ込むしかあるまい。総選挙までやって勝ち抜けば「谷垣首相」も十分あり得ると見るべきだろう。だいたい、民主党政権が出来る前に「鳩山由紀夫で大丈夫」かと疑問を投げかけたのは、塩川正十郎と筆者しかいない。それがあの体たらくとなっているのだ。鳩山や菅直人に比べれば谷垣の方が数段上だ。それに重要なことだが、最近の選挙は党首の顔よりも“敵失”に依存する傾向が圧倒的である。2度にわたる参院選は、前者が消えた年金、後者が民主政権の大失政であり、総選挙は自民党の末期症状による敵失だった。すべて敵失が大きく選挙情勢を左右している。党首の顔は二の次なのだ。
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