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2011-01-05 00:00
(連載)2011年日本外交に残された道(1)
若林 秀樹
元参議院議員
21世紀最初の10年があっという間に過ぎていった。本来であれば、2000年代初頭の日本は、1990年代のバブル崩壊後の「失われた10年」を取り戻すべく、新たな経済成長策に取り組んでいるはずだった。しかし、気がついてみれば、日本経済回復のシナリオは大きく外れていた。財政も、当初は2011年にプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化させる予定だったが、結果的には、赤字幅は削減どころか、さらに拡大した。もはや「経済大国」という言葉も死語となり、2010年は日本経済が世界第2位の座から40年振りに転落した歴史的な転換点となった。20年後の日本のGDPは、中国の4分の1程度になるという。
この流れから読み取れるのは、バブル崩壊後の10年は単なる「失われた10年」だったのではなく、日本の長期的停滞の序章であり、小手先の改革ではこの流れを食い止めることはできない時代に入ったと捉えるべきだったのである。そして今もなお、その流れは一層強くなりつつあり、大津波が沖合の見えるところまで押し寄せてきているのである。手をこまねいて何もしなければ、津波に飲み込まれるしかない。
しかし、このような日本の姿を客観的に見つめ、立ち位置をはっきりさせれば、日本が取りうる政策は極めて限られてはいるものの、より明確になったとも言える。もはや残された時間が少なくなった日本は、今こそ迷うことなく様々な改革を断行すべきである。それは外交でいえば、日米同盟の徹底的な活用と、積極的な経済外交の推進を意味する。
もちろん中国は大事な隣国であり、友好関係を築く努力は今後とも必要だ。しかし、自信をつけた中国共産党政府は、国内政治に矛盾を抱えながら自らの体制を維持していくために、国際的な代償を払ってでも、大国としての圧力を周辺国にかけていく流れを止めることはないであろう。またロシアも似たような状況にあると言えよう。(つづく)
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