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2010-12-27 00:00
(連載)有意義だった米議会レイム・ダック・セッション(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
3つ目の法案は、9・11ファースト・リスパンダー・ヘルス・ベネフィット法案と呼ばれ、9・11同時テロ事件直後に、グラウンド・ゼロで最初に救助活動にあたった警察官、消防士などに対する報酬法案である。彼らの多くは、塵煙などが原因で慢性的な病気で苦しんでおり、何らかの健康上の問題があると云われていた。このような、最初の救助活動者に無料の治療を提供することや報酬を与える法案に対しては、ビジネスに与える影響を懸念し、反対する共和党議員も多かったが、結果的に成立した。
次ぎに、“Don’t Ask, Don’t Tell (DADT)”の撤廃も、共和党、特にジョン・マケイン氏の強固な反対があったが、ついに可決した。これは2008年のオバマ氏の選挙公約に掲げていたもので、大半の国民も望んでいたことである。DADT法が撤廃されたことにより、全ての同性愛者が、オープンに軍隊に入隊できることになった。
5つ目は、新戦略兵器削減条約(START)の可決である。これは、米国とロシアの核兵器の削減、及び監察に向けた政策である。STARTは世界から核兵器を絶滅させたいとするオバマ氏の希望を反映するものである。核なき世界の実現はほど遠いが、また、更なるロシアとの交渉、および米国の核兵器削減につながる基盤になる。国の安全保障を強調する一部の共和党議員の強い反対を押し切って可決された。
様々な側面から、リベラルでも、保守派でもない、セントリスト〔中道政党主義者〕のイメージが強くなったオバマ氏であるが、4年間で達成すべき政策の85%をこの2年間で達成したと言われる。つい最近、12月22日の『CNN』の世論調査によると、56%のアメリカ国民が、「レイム・ダック・セッションでオバマ氏が対処した結果を支持する」としている。中間選挙前の40%台に比較すると、米国民の支持も上がり、この期間に両党が妥協点を見出して、数々の法案が成立したことは、米議会にとって有意義であったようだ。(おわり)
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