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2010-12-24 00:00
一票の格差から思うこと
湯下 博之
元駐フィリピン大使
去る7月の参議院選挙でのいわゆる一票の格差をめぐり、東京高裁と広島高裁は「違憲」の判断を下した。当然だと思う。一票の格差については、かねてから多くの人がおかしいと思い、違憲の司法判断が下されたこともあったが、選挙結果を無効とすると混乱するので、つい是正されないで時が過ぎてきた。しかし、もう放置できないところまで来ていると思う。
憲法が規定する法の下の平等の観点からは、一票の格差は2倍以下でないとおかしい。5倍でも「憲法に反しないかどうか」などという議論がなされること自体不可解である。衆議院を含めて2倍以下にすべきである。そうすると議席数が都市部に集中し、地方の利益が軽視され易いという懸念があるかもしれない。その種の懸念については、参議院のあり方を見直すことにより対応することが適当と思われる。例えば、米国の上院にならって各都道府県に一様に2議席を与えるというやり方である。
もともと、衆議院と参議院が似たような選挙制度になっていることが問題なのであり、両院が似たような構成なら、二院も設ける必要性はないであろう。更に、似たような構成の二院が異なった時期に選挙をして「ねじれ現象」が生じると、民意がどこにあるかも分かりにくくなるし、更に大事なことは、政治が機能しなくなってしまう。
ここはひとつ、参議院の役割りについて検討し、地方への配慮については、前記の各都道府県に2議席を与えるとか、日本全体の利益を考える優れた人材を議員にするために政党を離れた全国区の議席も20加えるとか、いうことを考えてはどうであろう。そして、衆議院については、一票の格差を厳格に2以下とする。こういったことは、憲法はすべて法律にゆだねていると解されるので、憲法をいじらずにできることである。政治が大きく動き出している今、その落着き先を考える一環として、是非この問題を考えるべきであると思う。
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