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2010-12-10 00:00
(連載)京都議定書の単純延長ならば日本は脱退せよ(2)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
我が国は、昨年、鳩山前首相が「2020年に1990年比で25%削減」とぶち上げて、大いに国際社会の注目を集めると同時に、国内では反対論が高まったが、削減目標には「すべての主要排出国による公平な枠組みの構築」という前提条件が曲がりなりにもついていた。今こそ、この前提条件を強調すべきである。京都議定書の単純延長というのでは、他の主要排出国の削減努力という前提条件が満たされているとは到底言い難い。まずは、京都議定書を単純延長するのであれば「25%削減」の目標自体を引っ込めると表明すべきである。さらに、「京都議定書を単純延長するならば、日本は脱退する」と、もう一歩踏み込んでしかるべきである。
こうした対応には政治主導が必要だが、菅政権が政治的リーダーシップを発揮しているとは到底言い難い。昨年は政治主導という名の暴走、今年は政治的リーダーシップの放棄である。民主党政権の悪弊を如実に表す事態である。
さて、京都議定書を脱退するとして、その場合は、米、加、豪などと別の枠組みを作るのがよいであろう。既に、米国、日本、中国、インド、韓国、豪州による「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)」というものがあり、その第1回閣僚会議が2006年1月にオーストラリアのシドニーで開かれている。
APPは、各国がエネルギー効率の高い生産技術や省エネ技術の情報を共有し、途上国に技術移転して温室効果ガスの削減を目指すものである。APPを発展させてもよいし、APPを参考にした新しい枠組みでもよい。京都議定書は結局、EU主導で排出権取引などの温室効果ガス削減に関するビジネスを追求するシステムである。日米豪加を中心とする新たな枠組み作りを目指すことを示唆するだけでも、EUに対するよい牽制となるはずだが、そういう工夫もしてこなかった。あまりにも芸がないと言わざるを得ない。(おわり)
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