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2010-12-01 00:00
小沢支持の背景に“金縛り”の実態
杉浦 正章
政治評論家
政権交代の原動力はやはり小沢一郎のカネであったか、という感がますます強くなる政治資金収支報告である。それも解党した旧新生党への公的資金の流用や、脱法的な迂回献金が疑われる選挙資金の“子分”たちへの提供である。先の民主党代表選での200票も、小沢の金権政治がものを言ったのであろう。クリーンが売り物で大量に当選した小沢チルドレンらの“金縛り”の実態が、白日の下に照らし出された。
かねてから、これだけマスコミが「政治とカネ」で叩く小沢を、民主党政治家はなぜ支持するのかと首を傾げていた。特段これといった政治理念があるわけでもないし、対人関係にも問題があって、人間的吸引力などない政治家に、なぜ寄りつくのかである。それがやはりカネであったことが、立証されたのが収支報告だ。昨年7月の衆院解散時だけで91人に4億5千万円のカネが渡っていたのである。しかも読売新聞によると、渡す際に秘書は「今後何かあったときは、よろしくお願いしますよ」と駄目押しをしたというのだ。その「何かあったとき」である小沢の代表選出馬に際して、菅を支持した新人議員は「(首相を支持するなら)小沢さんから貰ったカネを返せと(小沢氏陣営の議員に)脅された」(朝日)というのだから、小沢側もただでカネを配っていないことが露骨に分かる。
フレッシュさが売り物の新人議員がこれでは、ベテラン議員や中堅議員は推して知るべしである。閣僚でありながら、最後まで小沢支持のラッパを離さなかった前総務相・原口一博や、代表選の旗振り役・山岡賢次の顔が思い浮かぶ。まさに金権政治の真骨頂であるが、その資金ルートも怪しげだ。まず新生党解党時に残った資金が回った可能性が指摘されている。これは政党交付金であって、国民の血税である。一政治家が“子分”を増やすために流用することが許されるのか。どのようなカネか確かめもせずに、札束で頬を張られて、しっぽを振ってついていったのが、小沢支持グループの実態でもあろう。志を曲げてである。加えて政治団体間の寄付には5000万円の上限があるが、政党支部には上限がないことを“活用”して、巨額の資金移動をはかり、法の目を逃れる。それでいながら、小沢の口癖は「法に基づき適正に処理した」だ。
「何かあったときはよろしく」という“つながり”は、現在も続いている。このところ小沢と中堅・若手議員の会合が頻繁だが、小沢自身は強制起訴が近いことなどどこ吹く風で、その「何か」を起こそうとしているように見える。落ち目の菅が沈みがちなのとは好対照の、活発な動きを見せているのだ。11月29日の会合では「地方議員から反乱が起こると民主党政権が根っこから崩れる」と述べたと書いたが、12月1日付の読売によると「首相を代えるなら、代わった人が党を再建し、勝てる状態で衆院を解散すべきだ。そうしないと民主党政権は1年半で終わる」と、何と首相交代論を述べていたことが新たに分かった。事実上の倒閣宣言ではないか。もっともこの民主党政権の体たらくは、シャッポを前原誠司や岡田克也に代えても、支持率の大幅な回復は不可能だ。もう国民がその方式には飽き飽きしていて、だまされまい。しかし、小沢に代われば、もっとひどい。支持率が数%になることを、本人が理解していない。“金縛り”の政治家らにおだてられているからだ。
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