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2010-11-29 00:00
深化するスー・チーさんの憂鬱
石川 純一
フリージャーナリスト
ミャンマー軍事政権が11月13日夕、同国民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(65)の自宅軟禁措置を解除。ビルマ(現ミャンマー)独立運動を率い、その達成を目前にして暗殺された「建国の父」アウン・サン将軍の娘で、1991年にはノーベル平和賞を受賞したスー・チーさん。自宅軟禁を解かれた直後から、早くも11月7日行われた総選挙について支援者の説明を聴くなど活動を再開。
だが、自らが率い1990年5月の総選挙で圧勝しながら軍政側に選挙結果をほごにされた国民民主連盟(NLD)は、軍政主導下の総選挙に参加することを拒否したことで今年5月に解党処分となり、スー・チーさんの「受け皿」そのものがなくなってしまった。つまり、スーチーさんとNLDが今後、「選挙の無効」などを訴えて本格的な政治活動を再開した場合、当局が「非合法活動」として弾圧する法的環境が整ってしまった。
NLD指導部の高齢化という避けることのできない状況もある。世代交代や新たな指導者の発掘に取り組まなければ、今後ますます先細りの恐れがある。今回の総選挙に当たっては、軍政当局の主導を受け入れる一派がNLDを抜けて「国民民主勢力」(NDF)を結党、新国会に議席を確保した。今後、総選挙を不正などを理由に否定すれば、「選挙で選ばれた国会を拒否する民意否定の輩」と指弾される公算もある。
7年半にわたり自宅軟禁下に置かれていたスー・チーさんも、活動をようやく再開したとはいえ、還暦を半ば過ぎた。「建国の父」の実の娘という育ちの良さと天性の美貌は変わらないものの、その中に疲れがうかがえるのは否めない。人気の高さだけではどうしようもないのだ。否応もなく近づいている自身も含めたのNLDの世代交代、若返りがうまくいかなければ、やがては消えてなくなってしまうのだから。
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