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2010-11-18 00:00
(連載)中国、ヘリ搭載監視船を初めて派遣(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
尖閣沖での中国漁船と海保巡視船の衝突事件の本質は、尖閣諸島の実効支配を狙う中国に対して我が国が如何にして実効支配を守り抜くかであり、ひいては東シナ海を中国の支配下に置かせることを座視するか否かである。しかるに、我が国の最近の尖閣沖衝突事件への関心は、事件の際に海保が撮影したビデオが流出した問題を巡る責任論という、あらぬ方向へ脱線してしまっている。
それを横目に、中国は、東シナ海への進出圧力を強めるという国家戦略を着々と実行している。すなわち、畳みかけるかのごとき、漁業監視船の東シナ海への派遣である。9月に尖閣沖衝突事件が起こった際、ついで、10月中旬にも相次いで尖閣沖の東シナ海に派遣して来た。さらに、11月16日には「初めて艦載ヘリを搭載した漁業監視船が、広東州の広州から出港して、東シナ海に向かって監視活動を実施する」と、新華社通信が報じている。派遣されたのは、今年9月に完成した最新鋭艦で、ヘリを2機搭載可能であるという。漁業監視船は農業省の所管だが、実態はもはやコーストガードである。
農業省の漁業局長は、新華社通信に対して、「海空一体の立体的な漁業監視により、監視能力が飛躍的に向上した」と言っている。今回派遣されたとされる最新鋭監視船は、南シナ海と東シナ海で指揮船として活動する見込みであるという。これは、いうまでもなく南シナ海と東シナ海を影響下に置こうとする意図の強化と能力の向上であり、我が国をはじめとする両海域の沿岸国にとって、ますます脅威が増大していることを意味する。
このような重大な事態が進行しつつあるというのに、菅政権の意識は全くズレている。菅首相は、APECに際して行なわれた日中首脳会談で「尖閣は我が国の領土」と主張したと胸を張っているが、そんなことは誇るべきことでもなんでもない。中国は着々と戦略を行動に移しているのだから、日本も対抗策を打ち出すべき段階にある、ということを認識しているのか、全く疑わしい。(つづく)
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